週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】非化石証書とは

 石油や石炭に代表される「化石燃料」によって発電された電力ではない、つまり「非化石」の電源によって発電された電力の中から、「非化石」であることの価値を分離し、証書化したもの。データセンターの脱炭素化を進めるためのいち方策として、近年広く取引・利用されている。

 非化石証書は国によって制度化され、2018年から取引がスタート。現在は取引市場も創設されている。証書には「FIT非化石証書」「非FIT非化石証書」などいくつかの種類がある。「FIT非化石証書」は太陽光や風力などによって発電され「固定電力買取制度(FIT)」のもとで集められたものを意味する。対して「非FIT非化石証書」は大型水力やFIT適用期間終了後の施設で発電された「再エネ指定あり」、原子力発電などによる「再エネ指定なし」にさらに分類される。

 データセンターはサーバー機器を安定稼働させるための空調設備も含め、運用にあたっては多くの電力を消費している。しかし化石燃料由来の電力ではCO2の排出抑止につながらないため、いかに再生可能エネルギーの利用へ転換できるかが課題となっている。

 非化石証書の制度を利用すれば、データセンターは再生可能エネルギーへの転換を実質的に達成することが可能となる。一例として、ヤフー株式会社の「白川データデンター」では2021年5月から「FIT非化石証書」に基づいた電力の活用をスタートさせた(https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2021/20210527_02/)。