週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】オンプレミスとは

 英語表記は「on-premise(s)」。premisesは「構内」「敷地内」などを意味し、ITの世界においては、ユーザーが管理している施設内──実際にはデータセンターであることが多い──にてサーバー等の各種機器を設置・運用する形態を指す。口語的に「オンプレ」と省略されることも多い。

 用語としてのオンプレミスは、「クラウド」との対比においてよく用いられる。クラウドは、サーバー類をインターネット上に仮想的に構築することで、設置場所を意識することなく、またストレージ容量などを設定画面上の操作で増減させられるなど、柔軟性の高さが大きな特徴となっている。ただし、クラウド事業者が構築したシステムを利用するかたちのため、機能などをカスタマイズすることは難しい。

 これに対してオンプレミスは、ユーザーが自らサーバーを調達し、開梱からネットワーク構築といったほぼ全ての工程を独自に行えるため、ネットワーク設計の自由度が高くなる。一方、クラウドに比べてスケールメリットが低くなるため、コスト面では不利とされる。

 ごく小規模な企業の場合は、一般従業員が勤務するオフィスの一角にサーバーを設置するケースがあり、これも「オンプレミス」のいち形態と考えられる。しかし一般的には、データセンターにおいてのサーバー運用を、オンプレミスと扱うのが主流だ。データセンターはまさに「契約ユーザーが管理できる敷地」だからだ。