トピック
DXに不可欠なテクノロジーになった「AI」
その導入と活用のベストプラクティスとは?
- 提供:
- デル・テクノロジーズ株式会社
2023年1月25日 09:00
今やすべての企業において、「DX」(デジタルトランスフォーメーション)の実現は喫緊の課題だ。そのためのキーテクノロジーとなるのが「AI」であり、多くの企業でその検証や導入が進められている。デル・テクノロジーズは、自らがAIを活用したDXを推進、そこで培った知見やノウハウを製品・サービスに投入することで、企業のAI導入を強力に支援している。
自らがAIを活用し、DXを推進
業務効率化や生産性向上だけでなく、自社の製品・サービスを変革し、次なるビジネスの成長をもたらすものとして、多くの企業が取り組む「DX」(デジタルトランスフォーメーション)。先進企業は様々なデジタル技術を導入してDXを推し進め、競合他社に対する優位性を確保している。
DXを加速させる、主要なテクノロジーの1つがAIだ。機械学習やディープラーニングを用いたデータ分析をはじめ、業務の自動化、製造工程やサプライチェーンの改善など、多岐に亘る領域でのAI活用が進められている。
そうしたAIの活用を自ら実践することでDXを促進するとともに、そこで培われた知見やノウハウを製品・サービスに実装、付加価値として提供しているのがデル・テクノロジーズだ。DCWソリューション本部 シニア・ビジネス開発マネージャー AI Specialistの増月孝信氏は、「デル・テクノロジーズのAIに関するビジネス戦略は、3つの柱で構成されています」と強調する。
「それは、デル製品にAIを実装する『AI in Dell』、デル製品を用いてAI活用を促進させる『AI on Dell』、そしてデル・テクノロジーズ社内で多岐に亘るAI活用を行い、その成果を製品・ソリューションに反映させる『AI for Dell』です」(増月氏)
デル・テクノロジーズは「Dell Digital」という専門組織を社内に設置、その主導のもと、様々なAI活用の実践に取り組んでいる。現在では40以上のデータサイエンスチームが編成され、1,800名以上のAIのデータエンジニアが在籍、450以上のAIや機械学習に関するプロジェクトが進行中だという。また、マーケティング、経理、営業、製造、人事といった社内のあらゆる部門がデータサイエンスチームと連携、AIを活用したシステム構築や業務改革が行われている。
デル・テクノロジーズによる、AIを活用した社内DX事例の一部を紹介しよう。1つが、顧客がWebサイトを訪問してからの注文受付、製造、在庫管理、物流、そしてアフターフォローまでの一連の行程をサポートする「AI駆動型プロセス」の実践だ。顧客が同社のWebサイトを訪れた時、マーケティング部門は顧客の傾向や投資可能な予算を分析、予測。具体的な案件が発生した際には、営業部門は受注確度の分析・予測を行うとともに、購買の履歴や傾向などの顧客プロファイルを基に最適な製品やオプションのレコメンドを行う。さらにパーソナライズされた価格の設定や、その社内承認プロセスもAIにより自動化されている。一方、バックエンドでは受注後の部品の発注や在庫管理においてもAIによる需要予測等が行われており、円滑なサプライチェーンの推進が実現されている。
そしてカスタマーエクスペリエンスの向上では、コールセンターでの問合せに対する自然言語処理、AIを用いた部品在庫管理の最適化も行われている。
このほかにも、製造工程の自動化や、迅速な保守対応の実現と在庫コストを削減するための部品管理、保証サービスに対する不正行為の検知、IT運用の最適化など、あらゆる業務において、AIの活用が行われている。
DXを加速させるため、開発基盤を一から見直し
AIを活用したDXの推進にあたってデル・テクノロジーズでは、社内のIT基盤もアジャイル開発対応可能なインフラに大きくシフトさせている。これまでのデル社内では、12以上のサイロ化された環境において、データサイエンティストやデータエンジニア、AIエンジニアがそれぞれ業務を遂行していた。「しかし、データ分析を行うためのインフラ構築や運用管理、また分析用のデータを生成するためのデータエンジニアリングといった作業に手を煩わされ、本来の業務である『データ分析』に十分な時間を充てられていなかったのです」と増月氏は説明する。
このような課題を解決するため、デル・テクノロジーズは従来型の運用モデルから脱却し、アジャイル型の開発プロセスの導入と標準化に着手。そこで採用されたのが、5つの層で構成される「階層化アプローチ」である。階層化アプローチにおける各層の具体的な役割は次の通りだ。
はじめにセルフサービス型のポータル「Dell Digital Cloud」を第1層に、第2層にアジャイル開発を可能とするパイプライン設計の仕組みとなる「Dell Ops CI/CDパイプライン」を構築。第3層と第4層では、開発の迅速化と標準化を進めるため、APIのカタログを提供する「API マーケットプレイス」、ビルドやテスト、文書化、依存関係管理のワークフローといった一連のツールを提供する「UXマーケットプレイス」を用意。そして、第5層にはCI/CDの進捗状況やアプリケーションの成熟度をモニタリングすることで、KPI管理を実現する「DevOpsダッシュボード」を提供している。
「アジャイル開発が可能な環境を実現するために、インフラ自体のテクノロジーも見直しました。例えば、第1層のDell Digital Cloudでは、コンテナベースのKubernetesによるオーケストレーションの仕組みを採用、クラウドネイティブな形でワークロードを展開できるようになっています。また、インフラについても『Dell on Dell』のコンセプトのもと、自社製品をベースに構築。データレイクも含めデル製品で統一するとともに一元管理が可能な仕組みを実現しています」(増月氏)
AIの高度活用を加速させる新PowerEdgeシリーズを発表
このようにAIを活用したDXを加速化させるために、開発手法やインフラも変革させたデル・テクノロジーズだが、そこで培われたノウハウや知見を自社製品にも実装。その成果として、今回新たにリリースされたAI基盤向けサーバ製品が「PowerEdge XE9680」「PowerEdge XE8640」だ。それぞれの特長と優位性について見ていこう。
クラス最高の性能を提供するのが、PowerEdge XE9680だ。最大の特長は最新のGPU「NVIDIA H100 SXM5」を最大8枚搭載できることにある。データセンター ソリューションズ事業統括 製品本部 シニアプロダクトマネージャーの山口泰亜氏は、「前世代のPowerEdgeサーバはNVIDIAのGPUを最大4枚まで搭載できましたが、顧客からはさらなるGPUの搭載が求められていました。そうしたニーズに対応したのがPowerEdge XE9680です。8枚のGPUを搭載することにより、当社製品において最速の性能を提供します」と、その優位性をアピールする。なお、GPUは前世代の「NVIDIA A100」 を選択することも可能だ。
また、PowerEdge XE9680は、6Uラック型の空冷式サーバであり35℃環境で稼働が可能であるため、一般的なデータセンターにおいてもパフォーマンスを最大限に発揮できる。「熱設計電力(TDP)についても、A100 GPUは他社製品では400Wが一般的ですが、PowerEdgeサーバの場合、優れた空冷設計によりPowerEdge XE9680の前モデルであるXE8545から500Wで稼働させることができました。PowerEdge XE9680もこの空冷設計を踏襲しており、NVIDIA H100 SXM5による最速の処理性能を享受できるほか、NVIDIA A100を選んでも他社より高速な環境を獲得可能です」(山口氏)。
このほか、PCIe Gen 5スロットも10基用意されているので多彩なネットワークへの対応が可能であることに加え、CPUも第4世代インテルXeonスケーラブル・プロセッサーを搭載するなど、さらなる処理性能が発揮できる仕組みが実現されている。
PowerEdge XE 8640は4 Uラック型空冷サーバで、4枚のNVIDIA H100 SXM5が搭載可能なモデルである。PowerEdge XE9680同様、優れた空冷により一般的なデータセンターでも利用可能だ。また、CPUも第4世代インテルXeonスケーラブル・プロセッサーを搭載するほか、PCIe Gen5のスロットを5基用意する。
最新のテクノロジーを実装し、AIのさらなる高度活用を加速させるこれらの新モデルだが、2023年前半に全世界で提供開始予定だ。
エコパートナーとの協業により企業のAI導入を全方位で支援
AI活用の推進にあたって、デル・テクノロジーズが特にフォーカスしているのはデータ分析基盤の領域だ。「基本コンセプトは、サイロ化されたインフラをリソースとして統合するとともに、運用を自動化し利用効率を改善することにあります。その実現に向けて、デル・テクノロジーズは様々なエコパートナーとの協業を進めています」と増月氏は語る。
そうした取り組みの1つが、「Dell Technologies Validated Design for AI」である。これはNVIDIAのGPUを用いたAIの開発環境やデータ分析を支援するソフトウェア「NVIDIA AI Enterprise」に対応し、従来のITの運用管理の仕組み変えることなく、GPUリソースを仮想化させることで、その利用効率を大幅に向上させるものだ。
「Dell Technologies Validated Design for AIでは、GPU仮想化など当社が実際にエンジニアリングしたり検証したりした結果をリファレンスアーキテクチャとして公開するほか、実際のサービスとしても提供しています。これにより、AI活用のための最適な基盤構築を支援しています」と増月氏は強調する。
このほかにも、機械学習を実際の問題に適用するプロセスを自動化するため、「AutoML」の実現に向け、H2O.aiとのパートナーシップなど、さらなるパートナーシップの拡充を推進。さらに、前述したソフトウェア等を活用した検証やデモが行える施設として、東京大手町に「Dell Technologies AI Experience Zone」も開設している。
自らがAIを活用した業務改革を実践するとともに、そのノウハウを製品・サービスに投入することで、企業のDXを全方位で支援するデル・テクノロジーズ。AIの高度活用による生産性向上やビジネス拡大を実現したいと考える企業は、ぜひ一度、デル・テクノロジーズに相談してみてはいかがだろうか。
デル・テクノロジーズ株式会社
https://www.dell.com/ja-jp/dt/solutions/artificial-intelligence/index.htm