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デル・テクノロジーズ、大学と中堅・中小企業の協力により「DX迷子」からの脱却を支援する「DXイノベーションコネクト」を提供

 デル・テクノロジーズ株式会社は10日、大学と企業が協力し、革新的なプロジェクトやイニシアティブを共同で実現するプラットフォームとなる「DXイノベーションコネクト」を新たに提供すると発表した。

 デル・テクノロジーズは、事業変革の実現に必要なデジタル人材の育成・実践プログラム「DXアクセラレーションプログラム」を2020年から提供している。同プログラムは、社内で企業DXをリードするデジタル人材の育成にフォーカスしていたため、事業変革の実現に向けたPoCフェーズに着手するには、企業の持つ知見・知財への依存度が高く、企業DX推進のハードルとなっていたという。

 新たに提供を開始するDXイノベーションコネクトでは、あらゆる産業において、学術知識と実務経験が融合することで、企業の事業変革を推進する。奈良先端科学技術大学院大学(以下、奈良先端大)発のベンチャー企業である株式会社dToshと運営する専用のプラットフォームを通じて、大学は最新の研究成果を提供し、企業はその知見をビジネスに生かす方法を探求する。

 大学の先端的な知識と企業の実務経験が交わることで、企業DXのPoCを実施するための新たなビジネスアイデアやソリューションが生まれ、革新的なプロジェクトの加速を支援する。また、各企業で実用化に向けて急速に検討が進む生成AIを、それぞれの企業・団体の業務に特化した情報で活用できる、「ローカル生成AI」を実現するソリューションパッケージも併せて提供開始する。

 DXイノベーションコネクトは、「企業DXをどこから手を着けて良いか分からない企業」「業務の自動化・高度化から手を着けたい企業」「社内のデジタル人材の育成を求める企業」向けに、「データ分析・戦略立案」「RPA・業務自動化」「問い合わせ自動応答」「要件定義支援」「AI実装」までをカバーする、5つのプログラムを提供する。

 「DX Learning Community(データ分析・戦略立案)」は、DX推進に向けて経営データを多角的に分析したいが、社内に人材がいない企業を支援するためのコミュニティープログラム。参加費は無料で、未経験者がデータ分析の基礎的なノウハウを短時間で習得できる。具体的には、BIツールによるデータの加工から、分析と考察、戦略立案までの一連の流れを、ハンズオンとグループワークで実践的に体験できる。

 「ゼロタッチ タスク(RPA・業務自動化)」は、業務プロセスの自動化にはRPAが必要だが、どうすればよいか分からない企業担当者のために、「Microsoft Windows 11」に標準搭載されたRPAツール「Power Automate for desktop」を使って、どうすれば実現できるのかの手順を記した「設計図」を作成し、提供する。

 「ローカル生成AIパッケージ(問い合わせ自動応答)」は、生成AIの活用から進めたいという企業向けに、ローカル生成AIを利用できるパッケージ。「Microsoft Azure Open AI Service」をベースに企業固有の業務情報を利用し、複雑な問い合わせ解決のサポート、顧客や代理店の問い合わせに対する自動応答、顧客の過去の取引履歴や個々の好みに基づいた製品推奨、高度にパーソナライズされたアドバイスの提供など、生成AIを活用したサービスの提供を実現する。

 「DXワークショップ(要件定義支援)」は、「知的資産経営メソッド」によるDXワークショップの実施により、DXの戦略策定から施策の具体化を行える。自社の内部・外部環境における強み・課題分析、自社の今後のDX戦略の策定、過去から現在までの状況を元に、将来の目標設定を行う3つのステップを実施し、知的資産経営の専門家による伴走のもと、約半日かけて企業DX実現の道筋を描く。

 「DXエンジニア養成講座(AI実装)」は、自社サービスや製品に生成AIやAIを実装してサービスを強化したいサービスプロバイダーや、製品を提供する企業向けのAIプログラミングの実践講座。参加費は無料で、Pythonを利用しビッグデータの整形・解析・マイニングから機械学習モデルの構築・評価まで、AIを実践的に活用するためのオンライン講義・演習を提供する。

 DXイノベーションコネクトには、奈良先端大の情報科学領域の7研究室から参画し、生成AI、AI開発、ビッグデータ分析、Web3.0、IoT/センシング、画像認識AI、ソースコード解析、不具合の自動検出、ヒューマンインタラクション、生物情報学、VR/AR、スマートシティをはじめ、さまざまな分野の専門家が所属する研究室からスタートする。

 参加方法は、DXイノベーションコネクトのサイトにアクセスし、大学・研究機関の専門技術や実績を確認し、問い合わせフォームから申し込みができる。問い合わせを受け、DXイノベーションコネクト事務局から連絡し、相談内容を確認の上、最適な研究機関との連携と打ち合わせを行う。相談内容に応じ、当該研究機関から共同研究・学術指導の実施内容と費用を案内する。相互に合意した場合、該当機関・大学の産学連携推進室と直接契約を結び、企業DX PoC支援を開始できる。

申し込みプロセス

 デル・テクノロジーズでは、今回発表したDXイノベーションコネクトを通じて、中堅・中小企業の課題解決に寄り添い、企業DX実現に向けたPoCフェーズに進めない「DX迷子」から脱却することで、今後ますますビジネスを拡大できるよう、幅広い製品ソリューションを提案しながら支援していくとしている。