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ワコールがIT基盤をプライベートクラウド化、「Oracle Exadata」で構築

 株式会社ワコールは、グループ全体の統合基幹システムを支えるプライベートクラウド基盤として「Oracle Exadata Database Machine(以下、Oracle Exadata)」を採用。稼働を開始した。日本オラクル株式会社が6日、発表した。

 ワコールは、女性向けインナーウェアを中心に、アウターウェア、スポーツウェアなどの繊維製品、関連製品の製造・販売を手がける大手繊維製品メーカー。グループは子会社56社および関連会社10社で構成され、国内のほか、中国を中心としたアジア、オセアニア、欧州、米国などでも事業を展開している。

 同社ではメインフレームで稼働する業務システムと、オープン系システムで稼働する業務システムの計50種類から構成される基幹業務システムを運用してきた。部門ごとに最適化されたシステム構築を行ってきた結果、データベース・サーバーの散在により運用管理が煩雑となり、コスト効率の低下を招いていた。また、国内グループ企業の業務システムも各社で個別に運用管理されており、統合して業務効率化を図ることが求められていた。

 これらの条件を満たし、30以上のデータベース・サーバーを統合できるグループ共通のプライベートクラウド基盤として、Oracle Exadataの導入を決定。選定にあたっては、プライベートクラウド基盤に求められる処理能力と拡張性、信頼性、可用性のほか、オンライントランザクション処理(OLTP)とバッチ処理、データウェアハウスなど、さまざまなデータベース処理が共存できる点を評価した。

 2013年よりOracle Exadataによる統合データベースの構築を開始し、まずはメインフレームで稼働していたコードデータ管理システムを移行。今回、財務会計システムとして運用されている「Oracle E-Business Suite」の移行も完了し、稼働を開始した。今後は、UNIXベースで稼働する大規模システムと、Windowsベースで稼働する中小システムの移行を順次進める予定。2014年度中に主要なシステムを統合し、2015年度からプライベートクラウド中心の運用管理を実現することで、総保有コストの大幅削減を見込んでいる。

 なお、現時点での導入効果として、プライベートクラウド基盤に移行した経理システムでは、平均30~40%の時間短縮を実現。これまで長時間を要していた売上データを仕分けする夜間バッチ処理時間も半分以下に短縮された。また、汎用検索ツールの処理速度も向上し、従来は3カ月分のデータ量までしか検索できなかったレポート作成業務において、1年分の検索が可能になったという。

川島 弘之