ニュース

アクティフィオ、コピーデータ管理ソリューションの仮想アプライアンス版

アクティフィオのソリューションが提供する価値

 アクティフィオ ジャパン株式会社(アクティフィオ)は2日、コピーデータ管理ソリューションの新ラインアップとして、仮想アプライアンス版「Actifio Sky」を提供すると発表した。

 企業内のデータを、本番業務で利用している“本番データ”と、それをもとに、バックアップやスナップショット、災害対策(DR)などで生成される“コピーデータ”に分けて考えると、現在、ストレージ容量の6割以上はコピーデータに費やされているという。

 アクティフィオは、こうしたコピーデータにフォーカスしたソリューションを提供してる企業で、その肝は、ローカルバックアップ、スナップショット、災害対策、事業継続、レプリケーション、重複排除といった機能を物理アプライアンス「Actifio CDS」に統合し、1つのシステムとして提供していることにある。

 代表社長の勝俣正起氏が「アクティフィオはコピーデータにかかわる機能を統合し、一気通貫で提供できる点が強み。既存のストレージベンダーでも、製品を積み上げれば個々の要件に対応できるが、管理ツールが分かれているため、お金と手間がかかる」と話すように、一元管理により、大幅にTCOを削減できる点がユーザーにとっての大きなメリットになる。まさに「同じデータを複数の目的に使うのであれば、1つだけあればいいじゃないか」(アクティフィオの高峰康氏)ということだ。

アクティフィオ 代表社長の勝俣正起氏
アクティフィオの高峰康氏

 しかし「Actifio CDS」のメリットは、それだけにはとどまらない。仮想的なコピーを作り出すことにより、データを活用可能な形で即座に再現できる点が、既存のソリューションとはまったく異なっている。例えば、開発用にデータベースのスナップショットを取り、それを開発者が操作するといったことはよくあるケースだろう。

 「Actifio CDS」は自らがiSCSI/FC SANのストレージとしても利用できるので、保管してあるデータを利用して仮想コピーデータを作り出し、それを直接操作することが可能になっている。もちろん、書き込みにも対応しているとのことで、高峰氏は「データベースのテストのためのストレージとして利用することも多い」と述べた。

 保管されるデータは、スナップショット(生)領域と、重複除外・圧縮を行って保存するバックアップデータ領域に分かれており、それらを組み合わせて即時データ再現と長期保存を実現する仕組み。またリモートレプリケーション時にも重複排除機能を生かし、リモート側の「Actifio CDS」に存在しないデータのみを転送することで、ネットワーク帯域を約7割削減できるという。

 今回、新たに提供される「Actifio Sky」は、こうしたリモートレプリケーションで利用する仮想アプライアンス製品。従来は「Actifio CDS」を対向で設置する必要があったが、例えば拠点側のデータを本社側の「Actifio CDS」で集中バックアップする場合、拠点側に「Actifio Sky」を配置すれば、従来は必要だった拠点側の物理アプライアンスは不要になるため、大幅にコストを削減できる。

 なお、現在はVMware ESX上で動く仮想アプライアンスとして提供され、VMware環境のみバックアップできるものの、今後は「Actifio CDS」同様、対応プラットフォームを拡充するとのこと。

Actifio Sky
Actifio Skyの利用イメージ

石井 一志