NTTデータが国内全ツイート情報を再販、TwitterとのFirehose契約で
株式会社NTTデータは19日、ツイートデータの提供サービスを12月上旬より順次開始すると発表した。NTTデータは9月22日、米Twitterとデータ再販に関する契約を国内企業としては初めて締結。Twitterが提供するAPI「Firehose」を通じて取得・蓄積した日本語の全ツイートデータを提供できる権利を取得し、今回そのデータを再販することとなった。
Firehoseは、一般に提供されているTwitterの公開APIと比べて、データ取得量の制限がないのが特徴。Twitterの公開APIは時間あたりのアクセス制限があるため、キーワードで検索してもすべての情報が取得できないことがある。また、過去のツイートは約1週間しかさかのぼれなかったが、Firehoseを利用することでこの制限もなくなる。
NTTデータはツイートデータをパートナー企業に再販。販売先としては、ソーシャルメディア関連のコンサルティング会社、リサーチ会社、広告代理店などに加えて、ツイート情報を活用して分析を行うメーカー、小売・流通、研究機関などを想定。導入した企業は、マーケットリサーチや商品開発、風評検知などに活用できる。契約単位は6カ月。
公式APIとFirehoseの違い | ツイートデータ提供サービスのイメージ |
12月以降、全データの10%をサンプリングしてリアルタイム配信する「サンプルホース」(月額30万円)と、任意の検索キーワードに合致するデータをリアルタイム配信する「フィルターホース」(月額15万円~)を提供する。
2013年2月以降は、当日と過去31日分のデータを任意のキーワードで検索できる「リアルタイムサーチ」(月額50万円~)、当月と過去12カ月分を任意のキーワードで検索できる「ヒストリカルサーチ」(月額50万円~)を提供する。
オプションとして、年齢や性別、好評・不評など機械学習により自動判別したメタデータを付与するサービス(月額10万円~)、オーダーメイドでデータ抽出を行うサービス(都度見積もり)、SaaS型マーケティングリサーチサービス「なずきのおと」の分析機能を全量データ対応に拡充するサービス(月額15万円~)も提供していく。
サービスメニュー | サービス価格 |
Twitter Japanの近藤正晃ジェームス代表 |
サービス提供にあたってNTTデータは、好評・不評などの判定情報をツイートに付与できる日本語処理基盤「なずき」、株式会社プリファードインフラストラクチャーの検索基盤「Sedue(セデュー)」、NTTの研究所であるソフトウェアイノベーションセンタとプリファードインフラストラクチャーが共同開発した情報分析基盤「Jubatus(ユバタス)」を活用する。
Twitterは公開APIを通じて一定の制限のもとでツイートデータを提供しているが、Twitter Japan株式会社の近藤正晃ジェームス代表は「もっと多くのデータを過去までさかのぼって解析したいという声が寄せられていた」と語る。今回、NTTデータと提携したことで「日本の企業がツイートをビジネスにより生かせるようになる」と期待を寄せた。