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NTTデータ、中国の研究機関とSNSノイズフィルタリング共同開発へ

SNSによるマーケティング分析精度アップに向け

 株式会社NTTデータは1日、中国科学院ソフトウェア研究所(以下、ISCAS)と共同で、SNS「Twitter」および「Sina Weibo」を対象としたノイズフィルタリング技術を研究すると発表した。両社は共同研究によって日本・中国におけるSNSビジネス展開の促進を目指し、2014年2月に成果を発表する予定。

 Twitter、および中国版TwitterともいえるSina Weiboでは、両国において日々膨大なツイートが発信されている。このようなSNS上の情報を活用する取り組みも盛んで、マーケティングに活用することで実際に売り上げを伸ばした企業も出てきている。

 Twitter社のデータ再販ビジネスやSaaS型マーケティング・リサーチサービス「なずきのおと」などを提供するNTTデータと、中華人民共和国国務院直属の研究機関である中国科学院の管轄先の1つであり、コンピュータ科学やソフトウェアを研究する唯一の国立研究所として、特に中国語処理やHPC分野に精通するISCAS。長年、文字認識技術やテキスト処理技術などの分野において交流してきた両者だが、今後のSNSを巡るビジネス展望に基づき、今回の共同研究を始めるに至った。

ノイズフィルタリング技術を開発

 膨大なSNSデータを研究対象としたマーケティング分析では、数多くのツイートが“ノイズ”として混在するという共通の課題がある。これらのノイズは役立たないだけでなく、分析結果の精度に影響することもある。

 例えば、ある企業の評判・クチコミを分析する場合、データの中に本来抽出したい企業と同じ名前を持つ別の企業などが混在すると、分析の精度低下につながる。また、SNSプラットフォーム上では、多くの企業がプログラムによる広告を自動配信していることも分析結果に影響を与えるという。

 そこで本研究では、高精度な分析を行えるようにするため、ノイズを除去するフィルタリング技術を開発する。NTTデータが日本語Twitterのノイズフィルタリング技術を担当し、ISCASが中国語Sina Weiboに対する同技術を担当。両言語共通の課題については両者連携して推進。2014年2月に結果を発表する予定。

川島 弘之