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オラクルとGoogle Cloud、「Oracle Database@Google Cloud」を日本で提供開始
2025年6月13日 15:17
Oracle(以下、オラクル)とGoogle Cloudは13日、日本の顧客向けに「Oracle Database@Google Cloud」の提供を開始した。このサービスにより顧客は、「Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure」や「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を、Google Cloudのアジア北東1(東京)リージョンにあるデータセンター上で利用できるようになる。
オラクルでは、Oracle Database@Google Cloudは、クラウド移行の加速を支援し、オラクルが提供するミッションクリティカルなデータベースアプリケーションの運用を簡素化するよう設計されていると説明。例えば、販売管理におけるトランザクション処理、サプライチェーンマネジメントにおけるデータウェアハウジングや分析、金融サービスや電子商取引でのリアルタイムトランザクション処理などに対応できる。
これにより、顧客はOracle Databaseを活用して、新たなクラウドアプリケーションを容易に構築できるほか、既存のオラクルのデータベースやアプリケーションを、Google Cloudデータセンター上のOCIに移行できる。
さらに開発者は、GoogleのGeminiやVertex AIなどのツールを活用することで、「Oracle Database 23ai」とGoogleの先進的なAIモデルを統合して、新たなクラウドネイティブアプリケーションを容易に開発できる。既存のGoogle Cloudユーザーは、エンタープライズ向けワークロードに最適化された、フルマネージドな形態でOracle Databaseを利用できる。
さらに、Google Cloud Marketplaceとの統合と今後展開予定の新たなパートナープログラムにより、日本の顧客はクラウド環境の調達や運用管理の負荷を軽減できるとしている。
Oracle Database@Google Cloudは、Google Cloudデータセンターに導入され、OCI上で実行されているオラクルデータベースサービスへの直接アクセスを可能にする。
Oracle Database@Google Cloudを通じて、日本の顧客に提供するオラクルのデータベースサービスのうち、「Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure」は「Oracle Exadata X11M」をサポートし、「Real Application Clusters(RAC)」が利用できる。AI、分析、オンライン・トランザクション処理(OLTP)全体で、前世代と比べて大幅なパフォーマンスの向上を実現する。
Oracle Databaseの最新バージョン(Oracle Database 23ai)では、「Oracle AI Vector Search」や「JSON Relational Duality Views」など、AIとデータの活用を簡素化し、アプリケーション開発を加速する、ミッションクリティカルなワークロードの実行を支援する300以上の主要機能が新たに追加された。「Oracle AI Vector Search」機能により、顧客は文書・画像などの非構造化データと、社内の業務データを安全に統合・検索できるようになり、データを移動・複製する必要がない。また、「JSON Relational Duality Views」により、開発者はJSONとリレーショナルのいずれか一方のデータ型を選ぶ必要がなくなり、同じ情報に対して両方の利点を生かせる。
「Oracle Autonomous Database」は、Google CloudのコンソールおよびAPIと統合され、完全に自動化・管理されたOracle Databaseサービスを提供する。これにより、グローバル企業は、シンプルなワークロードからミッションクリティカルな業務まで、あらゆるワークロードを安全かつ効率的に移行・実行可能となる。同サービスは、「Exadata Cloud Infrastructure」上でRACを利用して、最高水準のパフォーマンス、可用性、セキュリティ、スケーラビリティを実現する。
さらに、ワークロードに対するより多くの選択肢を提供するために、Oracle Database@Google Cloudにおける「Oracle Base Database Service」を近日中に提供開始する。Oracle Base Database Serviceは、「Oracle Database Enterprise Edition」と「Standard Edition 2」のOracle Database 19cと23aiのバージョンを仮想マシン上で実行。管理者の負担を軽減する自動化されたデータベースライフサイクル管理、新規アプリケーションの導入を加速できる組み込みのローコードアプリケーション開発、変化するワークロードの需要への対応を支援する従量課金制の独立したスケーラブルなコンピュートストレージリソースを提供する。
また今回初めて、オラクルとGoogle Cloudのパートナー各社は、Google Cloud Marketplaceのプライベートオファーを通じて「Oracle Database@Google Cloud」を購入し、自社の顧客向けに再販できるようになる。
さらに、テクノロジーパートナーも間もなく、自社のソリューションおよびサービスに「Oracle Database@Google Cloud」を組み込むことが可能になる。この新しいパートナープログラムは、Google Cloudの「Partner Advantageプログラム」およびオラクルの「Oracle PartnerNetwork(OPN)」の両方に参加しているパートナーを対象に、今後12カ月以内に提供開始される予定。