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オラクル、フラッシュや仮想化統合への対応を強化したDBマシン「Exadata X5」

Oracle Exadata Database Machine X5

 日本オラクル株式会社は29日、第6世代となる最新データベースマシン「Oracle Exadata Database Machine X5」(以下、Oracle Exadata X5)の国内提供開始を発表した。フラッシュストレージの全面採用や仮想マシンを使用した統合への対応強化などが行われている。ハードウェア最小構成の価格は、2390万円(税別)から。

 Oracle Exadataは、Oracle Databaseを最適に動作させるために、ソフトウェアとハードウェア、ネットワークを組み合わせて最適化したエンジニアド・システム製品。最新世代となるOracle Exadata X5では、50%高速なプロセッサを採用したほか、最大メモリ容量の50%増量と、より高速なオールフラッシュのストレージサーバーの採用などにより、全体のパフォーマンスを向上させている。

 例えば、Oracle Exadata V2時代には最大5.3TBだったフラッシュメモリは、Oracle Exadata X5では最大179TBまで拡大されている。もっとも、フラッシュストレージ自体は珍しいものではなく、現在ではほとんどの大手ストレージベンダーがオールフラッシュストレージをラインアップに加えるようになった。それらとの違いについて、副社長執行役員 データベース事業統括の三澤智光氏は「他社の製品では、Oracle Databaseの挙動はまったく分からない」という点を指摘。それに対してデータベースを熟知する日本オラクルでは、インテリジェンスをストレージに組み込むことができるとし、それこそが大きな違いだとアピールする。

 また、拡張に際しての柔軟性も強化され、従来はハーフラックや1/4ラックといった、大きめの単位でしか行えなかった拡張を、サーバー単位で行えるようにした。これによりインメモリデータベースに最適化したシステムやオールフラッシュのOLTPシステムといった、ユーザーの要望に応じた構成が可能になるとした。

ハードウェア性能を継続的に拡張
構成の柔軟な拡張に対応

 インターコネクト技術についても、Exafusionにより、ネットワークソフトやOSカーネルといった層を経由せず、データベースが直接InfiniBandを扱えるようにすることで、レイテンシを極小化。ハイパーバイザーについても、Oracle VMをOracle Exadata X5がサポートし、データベース統合を効率的に行えるようにした。ここでも、データベースを熟知する日本オラクルならではのメリットがあるという。

 「一般のサーバーとストレージで構成した場合、データベース統合をしようとしても、結局、データベースとハードウェアの間で多くのオーバーヘッドが発生。性能問題が起こりやすく集約効率が上がらない。当社のソリューションでは、ハイパーバイザーそのものがデータベースを理解するので、OSレイヤとハイバーバイザーのオーバーヘッドがほとんどゼロになる」(三澤氏)。

Exafusionにより、インターコネクト性能を大幅に強化
仮想化統合へ対応

 このほか、Oracle Exadata X5でOracle Database 12cのインメモリデータベース機能を利用する場合、インメモリデータを他ノードに複製する機能を備えた。ノード障害時に複製データへフェイルオーバーすることで、ダウンタイムを極小化できるため、三澤氏は「ミッションクリティカル環境で利用できる、唯一のインメモリデータベースソリューションだ」とアピールしている。

インメモリデータベースのフォールトトレラント機能を搭載

石井 一志