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コンカーの出張・経費管理クラウド、楽天トラベルの国内ホテル予約サービスと連携

会見で握手する楽天トラベル 代表取締役社長の山本考伸氏(左)とコンカー 代表取締役社長の三村真宗氏

 楽天トラベル株式会社と株式会社コンカーは17日、業務提携契約を締結し、クラウド型出張・経費管理サービス「Concur Travel」日本語版サービスにおいて、「楽天トラベル」が提供する国内ホテル予約サービスとの連携機能を共同で開発することを発表した。国内最大級のホテル予約サイトである楽天トラベルの宿泊情報と、コンカーの出張管理クラウドを組み合わせることで、出張の多いビジネスマンに利便性が高く、企業においてはコストの可視化が可能となるソリューションを提供する。

 「Concur Travel」日本語版は、出張予約・管理をサポートするサービス。ユーザー企業の従業員は、スマートフォンやPCから、場所を選ばず社内規定にのっとった出張申請や航空券やホテルなどの予約が可能となる。また、情報は自動的に経費管理サービス「Concur Expense」日本語版(2012年2月13日リリース済み)と連動し、航空券やホテルの予約情報を元に経費精算情報を自動生成する。このConcur Travelで「楽天トラベル」が提供する国内ホテル予約サービスとの連携が実現する。

 この発表にあたって、米Concur Technologies 創業者兼CEOのスティーブ・シン氏は、「当社では、企業ビジョンとして“The Perfect Trip”を掲げており、『Concur Travel&Expense Cloud』を出張エコシステム全体に導入することで、ビジネストラベル市場に革新をもたらすことができると確信している。その中で、今回、楽天トラベルと業務提携し、国内ホテル予約サービスとの機能連携を実現できることをうれしく思う。この機能連携は、日本におけるビジネストラベルのユニークな需要に応える1つのステップになる。今後も、世界中のビジネストラベラーにメリットをもたらすため、長期的なパートナーとして協力していけることを期待している」と述べた。

米Concur Technologies 創業者兼CEOのスティーブ・シン氏
「Concur Travel」の全体像
楽天トラベル 代表取締役社長の山本考伸氏

 楽天トラベル 代表取締役社長の山本考伸氏は、同社の国内ホテル予約サービス機能を「Concur Travel」に提供する背景について、「楽天トラベルは、今年8月時点で、月間384万泊の予約実績があり、予約流通総額も2013年第2四半期で前年同期比14.7%増の1370億円と高成長を続けている。また、国内施設数は今年9月時点で2万8637件に達しており、その中でもビジネス向けプランは5000件以上を占めている。今回、この国内ホテル最大級の宿泊情報をベースに、インバウンド予約のさらなる強化に向けて、『Concur Travel』との機能連携を実施する」と説明している。

 同社では、「Concur Travel」と機能連携することで、法人顧客に対する予約拡大を期待するとともに、将来的にはコンカーの世界約1万8000社、約2200万人を超える海外利用ユーザーによるインバウンド宿泊需要の取り込みを図る考えだ。

コンカー 代表取締役社長の三村真宗氏
「Concur Travel」と国内ホテル予約サービスとの機能連携のデモ画面

 一方、コンカー 代表取締役社長の三村真宗氏は、「国内出張における支出比率を見ると、ホテルが占める割合が大きく、またサプライヤーが分散していることから、企業にとって費用適正化の余地が残っていると考えた。そこで、『Concur Travel』日本語版では、ホテル予約を優先してサービス提供を開始することにした」と、国内において航空便や鉄道に先駆けてホテル予約サービスに着手する狙いを語る。

 「今回の楽天トラベルとの提携により、国内最大級のホテル予約サービスとのコンテンツ統合を実現し、『Concur Travel』を出張業務で利用する国内外のユーザーに日本全域の宿泊施設を提供できるようになる。企業にとっては、出張関連業務の効率化と透明化を図ることが可能になる」と、楽天トラベルと業務提携するメリットを強調した。

 なお、「Concur Travel」日本語版における楽天トラベルとの連携機能は、年内をめどに正式提供を開始する予定。この連携機能により、「Concur Travel」日本語版を利用して、楽天トラベルが提供する国内宿泊施設の予約が可能となる。コンカーでは、「Concur Travel」日本語版について、今後3年で300社の導入を見込んでいる。

唐沢 正和