富士ソフトとコンカー、経費精算クラウドの販売でパートナー契約

アジア最大規模となる富士ソフトへの社内導入も


会見で握手する富士ソフト プロダクト・サービス事業本部 常務執行役員の野澤仁太郎氏(左)とコンカー 代表取締役社長の三村真宗氏

 富士ソフト株式会社と株式会社コンカーは9月12日、クラウド型経費精算システム「Concur Expense(コンカー・エクスペンス)」に関するパートナー契約締結について基本合意したと発表した。あわせて、アジアでも最大級規模となる富士ソフトへの社内導入についても契約が完了し、2013年1月から本稼動を開始する予定という。

 今回の発表にあたり、富士ソフト プロダクト・サービス事業本部 常務執行役員の野澤仁太郎氏は、「今から約1年前、当社の社員が、クラウド型の優れた経費精算システムとして『Concur Expense』を検索で発見し、そこから両社のコミュニケーションが始まった。そして、この1年間の成果を、国内第1号のパートナー契約という形にすることができた。これから、『Concur Expense』の社内導入を進めるとともに、クラウドビジネス戦略の拡大を図っていく」との考えを述べた。

「Concur Expense」の全体像とメリット

 また、コンカー 代表取締役社長の三村真宗氏は、「『Concur Expense』は、経費管理における従業員の省力化と、経費申請のガバナンス強化という2つの要件を両立した経費精算システム。マルチテナント型のクラウドサービスとして提供しており、90か国、1万7000社を超える導入実績がある」と、『Concur Expense』の概要を紹介。「今回の富士ソフトとの協業は、『Concur Expense』のユーザー企業としての立場と、アライアンスパートナー企業としての立場の2つの視点がある」と、富士ソフトとの戦略的協業には2つの意味合いがあると説明した。

 まず、ユーザー企業の視点では、富士ソフトが「Concur Expense」の販売に先立ち、1万人規模の社内導入を実施する。これは国内最大であり、アジア地域でも最大規模の導入になるという。そして、この採用により、日本市場での信頼向上と導入拡大に期待する。もう一つの、アライアンスパートナー企業の視点では、国内の大手SI企業との提供により、顧客認知度および信頼性の向上を図る。また、富士ソフトのもつ、クラウド領域における豊富な経験と実績や、日本全域をカバーできる強力な販売網とブランディングも、コンカーにとって大きなメリットとなる。さらに、将来的には、1万人規模の自社導入ノウハウを基に、各種サービスが提供されることを見込んでいる。

コンカー 代表取締役社長の三村真宗氏コンカーのパートナー戦略

 「2012年度におけるパートナーによる顧客開拓の比率は全体の13%となっている。この比率を、今回の富士ソフトとの協業をテコにして、2013年度には倍の25%、さらに2014年度には50%まで引き上げたい。そして、50%の大半が富士ソフトとの協業案件によって占められると考えている」と、三村氏は、今後のパートナービジネス拡大に向けた展望を述べた。

 一方、富士ソフトの野澤氏は、「Concur Expense」を1万人規模で社内導入する狙いについて、「今までの経費精算システムは、しっかりと作られていないものが多かった。これに対して、『Concur Expense』は非常に優れた経費精算システムとなっており、このソリューションを1万人規模で導入し、ノウハウを蓄積、活用することで、顧客にとって高付加価値のソリューションとして提案していく」としている。

富士ソフト プロダクト・サービス事業本部 常務執行役員の野澤仁太郎氏富士ソフトとコンカーの協業イメージ

 富士ソフト協業イメージとしては、「Concur Expense」の初期導入からコンサルティング、プロモーション、ブランディング、マーケティングまでの領域において、さまざまな活動を展開していく。とくに、プロモーション戦略では、両社による共同セミナーを開催するほか、クラウド利用ユーザーへの先行アプローチを行う。また、ブランディング戦略としては、富士ソフト本社にあるアキバプラザやクラウドセンターをクラウド情報発信基地として積極的に活用し、アキバ発信のブランドとして全国に浸透させていく考え。

 富士ソフトでは、全国の中規模・大規模ユーザー約1万社をターゲットに、2015年度(2014年3月末)までに、200社3億円の販売を目指す。


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