ニュース
NEC、VDI環境への対応やAPI連携などを強化したPC向け顔認証ソフトウェア「NeoFace Monitor パッケージ版 V8」
2025年4月1日 08:30
日本電気株式会社(以下、NEC)は、自社の顔認証エンジンをベースとしたPCセキュリティソフトウェア「NeoFace Monitor パッケージ版」において、VDI(仮想デスクトップ)環境利用時やAPI連携時の利便性向上およびセキュリティを強化した新版「同 V8」を、4月中旬より受注開始すると発表した。
NeoFace Monitorは、NECの顔認証エンジンであるNeoFaceをベースとした顔認証PCセキュリティソフトウェア。オンプレミスで運用するためのパッケージ版、クラウドサーバーを利用したクラウド版の両形態で提供されているが、今回はパッケージ版の新版が発表された。
新バージョンでは、手元端末およびVDI環境の双方にNeoFace Monitorをインストールすることで、顔認証によるOSログオン/ロック解除と、業務アプリケーションへの代行認証の同時利用が可能となった。利用環境に合わせ、スムーズに顔認証を実行できる環境を提供する。
また、手元端末で顔認証を行うことによりVDI環境側の顔認証を不要とする機能や、手元端末から複数のVDIに同時接続するようなマルチセッション環境において、顔認証を使い分けられる機能を新たに採用した。
なおマルチセッション環境への対応では、認証が混線しないよう排他制御を実施しており、各VDIセッションで顔認証によるログオン/ロック解除/アプリケーションログイン代行認証を行える。このため、例えば自治体や金融業のように、業務システムごとに異なるVDIにログインする場合でも顔認証を利用できるとのこと。
さらに、顔認証もしくはシングルサイオン(SSO)によるアプリログイン代行認証が利用できるVDI環境の対象範囲を、「SKYDIV」「Azure Virtual Desktop(AVD)」にも拡大するとともに、インターネット分離ソリューション「SCVX」にも対応した。このほか、手元端末にNeoFace Monitorがインストールされていない場合には、VDI環境にログオンできない仕組みも追加している。
今回はまた、新たに「API連携キットG3」をリリースし、認証キャッシュの運用管理強化と認証処理結果の精緻化を行った。認証キャッシュの運用管理強化では、端末がオフライン状態の顔認証時に必要な各端末内のキャッシュデータ(顔情報)の有効期限やユーザー数の設定機能を追加し、より厳格なセキュリティポリシーで運用できるようにした。
一方の認証処理結果の精緻化では、認証失敗時に、顔/パスワード/顔動き検知や、オンライン認証/キャッシュ認証といった、認証方式ごとの詳細情報をエラーコード形式でアプリケーションへ提供できるようにしている。
API連携キットのライセンス体系も見直されており、通常のNeoFace Monitor V8のライセンスを端末数分購入すれば、開発者向けのAPI連携キットとその保守を1ライセンス分追加購入することで、業務システムへの顔認証のAPI組込および対応システムが利用可能になったとのこと。
加えて、メジャーバージョンアップ作業を容易に行える仕様への変更も実施された。従来必要であった既存ソフトウェアのアンインストール、顔情報含む利用者情報のデータベース移行作業、新バージョンのソフトウェアインストールといった作業は不要で、アップデートのインストーラー適用のみでバージョンアップが可能になっている。
「NeoFace Monitor パッケージ版」の価格(税別)は、ライセンスが1台あたり1万6500円から、保守パックが1台あたり年額2600円から、初回導入時に必要なソフトウェアが1200円。