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ワークデイの2026年度国内戦略、「HRモダナイゼーションを加速し日本企業の変革を支援」

 ワークデイ株式会社は19日、2026年度の国内事業戦略について説明会を開催した。ワークデイ 執行役社長 兼 日本地域責任者の古市力氏は、「日本企業の経営には、HRモダナイゼーションが求められている。そのモダナイゼーションを推進する施策を実行する」としている。

ワークデイ 執行役社長兼日本地域責任者 古市力氏

 まず古市氏は冒頭で、2025年度の状況を振り返り、「グローバルでの総売上が前年比16.4%増の84億4600万ドル、サブスクリプションの売上が前年比16.9%増の77億1800万ドルで、順調に成長している。Fortune 500企業の1社としてFortune誌に掲載されたほか、S&P500の銘柄にも採用された」と、ビジネスの好調さをアピール。国内においても、「利用企業が拡大し、パートナーもこれまでメインだったグローバルパートナーに加え、国内のパートナー3社と提携した。従業員は前年比で約40%増え、CTOも採用、大阪オフィスもオープンした」と語った。

2025年度のビジネスハイライト

 2026年度の方針としては、日本固有の考え方を理解した上でグローバルベストプラクティスを適用し、日本企業の変革に向けた伴走と助言を行う。また、変革の難しさと自社のこだわりに配慮し、国内機能要件に対応するという。そのための施策について古市氏は、「アドバイザリーサービスを提供するほか、日本のユーザー目線で開発体制とプロセスを最適化する。また、パートナーとの連携を強化する」とした。

2026年度のワークデイ事業戦略

 アドバイザリーサービスでは、人事リーダー、人事変革リーダー、人事システム検討リーダーといったそれぞれの担当リーダーに向け、さまざまな助言を提供する。人事リーダー向けの「人事・人財戦略アドバイザリサービス」では、人事部門の戦略やあるべき姿を検討するための助言を提供し、人事変革リーダー向けの「人事変革構想策定アドバイザリサービス」では、人事の目指す姿や変革ロードマップの構想策定を支援する。そして、人事システム検討リーダー向けの「HRISプランニングアドバイザリサービス」では、人事システムの導入の計画策定や選定を支援するという。

HRモダナイゼーションに向けたアドバイザリーサービス

 開発体制とプロセスの最適化について古市氏は、「日本が昨年末にTier 1カントリーに昇格したため、本社開発部門がこれまで以上に日本からの要望に耳を傾けるようになった。本社開発部門とはほぼ毎日直接対話しながら、顧客やパートナーの要望を次のバージョンにどのように組み込むか検討している」と話す。

開発体制・プロセスの最適化

 日本特有の機能要件に対しては、さまざまなパターンで柔軟に対応する。「年2回のバージョンアップ時にグローバルでの共通案件を実装し、日本独自のリクエストはテンプレートで開発する。一方、顧客固有の案件は、Workday Extendというツールで顧客が自らWorkdayプラットフォーム上にて実装できるようにする」と古市氏。また、給与の特殊手当や社会保険といった部分は、ISVパートナーの既存製品との連携を進める。開発パートナーによる個別開発は、パートナーが開発したアプリをWorkdayのマーケットプレイスで販売する「Built on Workday」にて配信する。

 すでにグローバルでは、Built on Workdayを通じてパートナーによるさまざまなアプリが誕生しており、古市氏は「日本のパートナーにもBuilt on Workdayを活用したビジネスを展開してもらいたい」と述べている。

 3月12日には、給与ソリューションの提供に向け、株式会社パトスロゴスとの戦略的協業も発表している。人材管理ツールの「Workday HCM」と、パトスロゴスのクラウド型給与サービス「Combosite」を連携することで、HRモダナイゼーションを推進するという。

 今回の説明会には、パトスロゴス 代表取締役の牧野正幸氏も登壇。協業の背景について牧野氏は、「日本企業のグローバル化は止めることができない。特にトップ企業では、売上高の半数近くが海外という企業もめずらしくない。その中でWorkdayを採用する企業は多いが、給与や勤怠の領域で悩むケースをよく見てきた。今回の協業により、そのような日本固有の制度に対応したソリューションをWorkdayと連携して提供できる。グローバル化を推進する日本企業にとってベストなソリューションとなるだろう」と語った。

パトスロゴス 代表取締役 牧野正幸氏
握手を交わすワークデイの古市氏(左)と、パトスロゴスの牧野氏(右)