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NTTグループがAIネイティブインフラ「AIOWN」を展開、国内データセンターは2033年度に3倍超に
2026年5月8日 06:00
NTT、NTTデータグループ、NTTドコモビジネスの3社は4月27日、AI利活用の急速な拡大を背景に、顧客ニーズに合わせて最適な利用環境を提供するAIネイティブインフラ「AIOWN」を展開すると発表した。NTTグループは、日本全国47都道府県に160拠点以上のデータセンターを展開し、国内データセンター市場においてシェアNo.1を確立しているが、さらに液冷対応データセンターを含む国内データセンターの拡張を予定しており、2033年度に3倍超になるという。
NTTのAIネイティブインフラ
GPUサーバーを用いたAI処理が中心となり、それに伴ってネットワークもAIの応答速度が重要になるなど、インフラに求められる要件がAI活用の進展によって変化している。また、データセンターには立地のよさだけでなく、GPUの発熱対策が必要になるなど、従来のICTインフラから、AI活用前提とした新たなアーキテクチャのインフラへの転換が求められている。
AIの活用分野も、オフィスワークの効率化など汎用的な用途から、専門業務やコア業務に組み込む特化AIや複数のAIをつなぐAIエージェント、クルマやロボットなどのフィジカルAIへと、領域が拡大している。
このような変化に対応するAIネイティブなインフラに求められる技術要素として、NTTでは以下の5つに取り組んでいる。
(1)液冷方式
日本ではまだ少ないが、NTTグループはグローバルで既に250MW以上の液冷設備を提供しているトップランナー。国内でもラビダスがNTTグループの液冷データセンターを採用し、半導体製造基盤の安定運用と環境負荷低減を両立している。
(2)光電融合インターコネクト/ネットワーク
光電融合は、ルーティングのために光通信を電気通信に変換することで発生する遅延を排除する。NTTでは、独自技術のPEC(Photonics-Electronics Convergence)による低遅延・大容量高品質・低消費電力ネットワーク/インターコネクトを、全国の主要データセンター間、主要都市間で接続済みだ。このPEC-1を使ったIOWN 1.0は、2027年度までに、47都道府県で800GbpsのAPNを構築する予定という。さらに、次のPEC-2(IOWN 2.0)では、コンピューター内部に光電融合デバイスを適用し、計算処理の低消費電力化を目指している。
(3)ソブリンAI
AIを競争力に変えるためには、企業が保有する機微なデータやノウハウをAIに学習させ、専門的な業務やコア業務で活用することが不可欠となる。そのためには、データやアプリケーションのみならず、LLM、プラットフォーム、データセンター、ネットワークまでトータルでソブリニティの担保が重要になる。NTTでは、ネットワークやデータセンター、さらには独自開発したAIモデル「tsuzumi 2」の提供など、統合的にソブリニティを担保している。
(4)AI向けネットワーク
拠点やデータセンター、さらにはクルマ/ロボットなどのフィジカルAIも、必要な時に必要なだけ繋ぐことが可能なNaaSを提供。繋ぐことで脅威の検知・遮断が可能なセキュリティ機能も提供しており、これはガートナーによるアワードを受けている。
(5)分散基盤の最適化
全国160拠点以上、47都道府県という地理的なカバレッジに加え、安定した電力供給を確保し、低遅延かつ安全にAIを利用可能なデータセンターを、毎年順次拡張する予定。AI推論向けの、低発熱チップに適した従来型空調のデータセンターから、ハイスペックなGPUに対応する最新型の液冷データセンターまで幅広くラインアップ。また、規模・設備を自由に設計構築できるコンテナ型データセンターにより、迅速なコンピュータリソースの整備も可能。
これらのAIネイティブインフラを、AI+IOWNで「AIOWN」と名付け、データセンターの拡張や液冷対応の高度化を継続的に進めていく。
国内データセンターの拡張計画
NTTでは、旺盛な需要に応えて基盤となるデータセンターを拡大し、現在の300MWから、2033年までに3倍を超える約1GWへと拡張する予定。都心型、郊外型、遠隔地型という、複数のタイプのデータセンターを戦略的に拡張していく。
都心型:多くの企業が集まり、より低遅延が求められる
郊外型:AI学習のために豊富な計算資源を持つ
遠隔地型:低価格かつ再生可能エネルギーの活用が活発
さらに、リソースマネジメントの機能も、ニーズに合わせて順次拡張する。
国内データセンターの拡張では、以下のようなデータセンターの竣工が予定されている。
・品川区内
液冷標準AI対応型データセンター。2029年竣工予定。ITロード11.7MW(24MWまで拡張予定)。
・福岡市
海底ケーブル直結AI対応型データセンター。2029年竣工予定。ITロード5MW。
・栃木市
関東エリアの大規模データセンター。2029年竣工予定。ITロード 終局 約100MW。
・千葉県白井市
国内最大級のデータセンターキャンパス。2030年以降竣工予定。ITロード 終局 約200MW(近隣のデータセンターと合計で約250MW)。


