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SalesforceとGoogle Cloud、AIエージェントの連携などパートナーシップの拡大を発表
2026年5月7日 16:00
米SalesforceとGoogle Cloudは現地時間4月22日、パートナーシップの拡大を発表した。これにより、データの断片化やシステムの連携不足を解決し、AIエージェントが両プラットフォームを横断してエンドツーエンドのワークフローを実行できるようになるとしている。
SalesforceとGoogle Cloudは、新たな連携により顧客がSlackやGoogle WorkspaceなどのツールにAIエージェントを展開でき、AgentforceとGemini Enterpriseがバックグラウンドでインテリジェンスとコンテキストを提供すると説明。これにより、AIエージェントはシステムを横断して業務を行うことが可能になり、リスクを伴うデータ移動が削減され、コンテキストの切り替えに費やされる時間のロスも解消されるとしている。
また、このパートナーシップの拡大に伴い、両社は、顧客が手動による管理から自律的な運用へと移行しやすくする新機能も開発する。従業員は業務が行われている現場で連携し、自社の技術スタックを活用して複雑なワークフローを実行できるようになるという。
これらの統合により、Google CloudとSalesforceは、エージェンティックエンタープライズのあらゆるレイヤーにおいて連携する。これには、生のインテリジェンスを企業の業務へと変換するあらゆる「コンテキスト供給のためのシステム(System of Context)」「業務のためのシステム(System of Work)」「AIエージェントのためのシステム(System of Agency)」「エンゲージメントのためのシステム(System of Engagement)」が含まれるとしている。
両社は新たな連携機能提供の背景として、現代の業務環境では、目に見えない切り替えの負担が横行しており、平均的な従業員は毎日2時間もの生産性を奪われていると説明している。例えば、セキュリティ上のエスカレーションはSlackで発生し、背景情報はGoogleドキュメントにあり、承認プロセスはSalesforceで処理され、関係者の調整はメールで行われているといった状況を挙げている。こうした個別のソリューションを寄せ集めるのではなく、企業が相互に連携したエンゲージメントシステムを構築できるようにし、チームは社内のあらゆる業務を迅速に進め、一つの会話からアイデアをエージェント型の行動へと転換できるとしている。
SlackとGoogle Workspaceの連携機能により、ユーザーはSlackbotにリクエストするだけで、あらゆる依頼をGoogle Workspaceのコンテンツに即座に変換できる。プロンプトを受けると、SlackbotはSlackのスレッドやGoogleスライド、ドキュメント、スプレッドシート、PDFなど、関連するSlackとGoogle Workspaceの情報を取得し、情報をインテリジェントに整理して、すぐに共有できるファイルとして提供する。これにより、情報の検索、作成、提示の間のギャップを解消する。
また、Gemini Enterpriseは、Slack内から直接アクセス可能で、アプリ全体からコネクターや関連情報にアクセスできる検索・アシスタントツールとして機能する。例えば、Slackのスレッドと合わせてGoogle Meetの議事録を要約するといった動作が可能になる。
Agentforce SalesのAIエージェントは、Gemini Enterpriseを離れることなく、安全かつリアルタイムで、見込み顧客とのやり取りや面談サマリの作成、案件のリスクやガイダンスの提示、パイプラインやCRMの更新管理を行えるようになる。手作業を自動化することで、営業担当者は顧客との関係構築や成約に集中できるようになる。
このパートナーシップの基盤となるのは、「コンテキスト供給のためのシステム(System of Context)」で、これは世界最先端のAIモデルとエンタープライズ規模のデータを結びつけるアーキテクチャだと説明する。SalesforceとGoogle Cloudにより、AIがデータの保存場所であらゆるデータを利用できるようになり、セキュリティやコストのかかるデータ移行についての懸念がなくなるとしている。
さらに、機能強化として、AgentforceはAtlas推論エンジンを通じて、Geminiモデルをネイティブにサポートする。これにより、 Agentforceはテキスト、画像、動画といったさまざまな形式のデータを横断的に把握し、長年にわたる顧客接点履歴を活用して複雑な問題を正確に解決することが可能になる。これは、より迅速かつスマートな問題解決を実現することを意味し、Agentforce内でGeminiを活用してプロンプトを作成し、すでに成果を上げている1400社以上の顧客の実績を基盤としているという。
また、Agentforceは、データのコピーや移動、セキュリティリスクを伴わずに、Google Lakehouseからネイティブにデータを読み取ることが可能になる。これは、データセットがどれほど大規模になっても高品質なパフォーマンスを発揮する単一のコンピューティングレイヤーを実現するもので、Salesforce Data 360やGoogle BigQueryにおいてすでに数百社の顧客から信頼されているゼロコピーテクノロジーを基盤としている。
さらに、Informaticaのデータセキュリティポリシーや、WorkdayやSAPなどのエンタープライズデータソースをGoogle BigQueryに連携させる新しいデータコネクターにより、不正防止や予測マーケティングなどのリアルタイムのインサイトが利用でき、セキュリティのガードレールをより効率的に適用できる。さらに、Google Cloud Storage上のApache Icebergへの接続も対応する。大規模データセットの読み取り・書き込み・変換に加え、スキーマ進化と高性能な分析クエリをサポートする。
両社はパートナーシップを通じて、企業は断片化したデータを統合して、複雑なプロセスを自動化し、単一の統合アーキテクチャ内で真の人間とAIのコラボレーションを実現できると説明。これは次なるAIの時代において、より迅速かつスマートに成長したいと考える企業のために構築されたものだとしている。
