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日立ソリューションズ、自動車のモデルベース開発支援ソリューションでモデル間をシームレスに接続する機能を提供

クラウド環境での分散開発にも対応

 株式会社日立ソリューションズは31日、SDV(Software Defined Vehicle:ソフトウェアによって自動車の機能がアップデートされることを前提に設計・開発された車)に向けて欠かせないモデルベース開発を支援する「モデルベース開発ソリューション」において、テスト工程短縮と品質向上を支援する「シミュレーション環境同期接続モジュール」の最新版を11月1日から提供すると発表した。

モデルベース開発支援ツールでは、米The MathWorksの「MATLAB/Simulink」を採用し、自動車メーカーやサプライヤーが、MILS(Model In the Loop Simulation:関数単位や処理ブロック単位での検証用に使われるシミュレーション環境)やSILS(Software in the Loop Simulation:実機相当テストをPC上でシミュレーションする環境で必要な各種モデル)を開発しているが、自動車メーカーでの世代管理とサプライヤーからの機能提供では、モデルのバージョン調整が難しく、セキュリティの観点から秘匿化されたモデルも混在しており、新たなシミュレーション環境を構築する必要があったという。

「モデルベース開発ソリューション」の「シミュレーション環境同期接続モジュール」最新版の特長

 シミュレーション環境同期接続モジュールの最新版では、異なるバージョンや秘匿化されたモデルであっても、MILSやSILSを同期接続させ、統一したシミュレーション環境を新たに構築することなくシミュレーションを実行できる。また、クラウド上に構築されたシミュレーション環境でも利用可能なため、クラウドシフト後の分散開発にも対応可能となる。

 企業はモジュールの最新版を利用することで、設計の問題点やリスクを早期に抽出し、工数削減と品質向上を図れるようになり、SDVに向けたフロントローディングの実現が可能になるとしている。

 日立ソリューションズは、今後も車載ソフトウェアの開発を通じて、より安全で快適な人と車が調和するスマートモビリティ社会の実現を支援することで、SX(サステナビリティトランスフォーメーション)に貢献していくとしている。