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インフォアジャパン、業界特化型の生成AIとESGレポート機能を提供開始
企業の生産性向上や環境フットプリントのレポート作成を支援
2024年5月24日 12:00
インフォアジャパン株式会社(以下、インフォア)は23日、顧客における生産性向上、および環境フットプリントに関するレポート作成を支援する業界特化型の生成AI「Infor GenAI」とESGレポート機能を提供開始すると発表した。同日には、インフォアのビジネスクラウドソフトウェアの製品ビジョンおよび新ソリューションに関する記者説明会が行われた。
インフォアは、業界特化型のビジネスクラウドソフトウェアにおけるグローバルリーダーとして、各注力業界向けに、業界特化の機能を網羅したソリューションを展開している。
説明会の冒頭で、米Infor アジア太平洋地域・日本担当シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャのテリー・スマグ氏は、従来の企業向けソフトウェアが抱えている課題について、「変化の激しい市場環境の中で、企業が勝ち残るためにはベロシティが重要であり、企業向けソフトウェアが競争優位性をもたらすカギになると期待されている。しかし、多くの場合、その期待に応えられていないのが実情だ。従来のERPプロジェクトが失敗に終わる要因としては、『長期にわたる販売サイクルと相互利益の欠如』、『長く複雑な導入プロセス』、『本番稼働後の柔軟性がなく、技術的負債が重く俊敏性に欠ける』、『期待はずれのサポートとパートナーシップ』といった点が挙げられる」との見解を述べた。
こうした課題に対して、インフォアでは、ビジネスクラウドソフトウェアの製品ビジョンとして、(1)業界に特化したソリューション、(2)変革とインテリジェンスのための一体化したプラットフォーム、(3)経験志向の超生産的ソリューション――の3つを掲げているという。
米Infor ソリューションコンサルティング担当シニアバイスプレジデントのフィル・ルイス氏は、「当社は業界に特化したマルチテナントERPプラットフォームを提供しており、2000以上の細業種アプリケーションをそろえている。例えば、乳製品向けの細業種アプリケーションとしては、『液体レシート』、『製造現場の管理』、『タンクのメンテナンス』、『液体の配送』などのアプリケーションを提供している。また、細業種アプリケーションだけでなく、業界ごとにベストプラクティスのEPR機能をまとめて提供する『CloudSuite』も用意している。これらのソリューションによって、顧客それぞれのビジネス要件にフィットしたクラウドERPを展開している」と説明した。
今回、新たに提供開始する業界特化型の生成AI「Infor GenAI」は、顧客の業界データとプロセスを活用し、適切な連携によるLLMの活用を組み合わせることで、各業界で大幅な生産性向上を実現するという。例えば、流通業における商品の属性の自動割り当てや、工業製造業における複雑なプロジェクトの例外事項の要約を作成することで、顧客が現在行っている不必要な作業を削減することが可能になる。
ルイス氏は、「Infor GenAIは、業界の流れに合わせた業界特化型の生成AIで、『CloudSuite』に直接組み込まれたハイパープロダクティビティとなっている。Infor GenAIの活用例としては、今まで人事担当者が時間をかけて1つのジョブディスクリプションを作成していたところを、Infor GenAIであれば2分で10個のジョブディスクリプション作成することができる。また、流通業で新しいアイテムを展開する際には、何千ものSKUに対してディスクリプションを作る必要がある。これはかなりの作業負荷になるが、Infor GenAIを活用することで、何千のアイテムディスクリプションを2分で作成することができる」と、各業界の生産性、業務効率、俊敏性を大幅に向上できるとアピールした。
また、もう一つ新たに提供開始するESGレポート機能は、顧客が環境フットプリントのレポートに対する社内外の利害関係者からの要求の高まりや、変化に対応できるよう支援するもの。この機能を利用することで、顧客は、正確性、透明性、一貫性を向上させながら環境フットプリントを記録し、より有意義で測定可能、かつ実行可能な変化を推進するためのデータと分析を手に入れることができるという。
具体的には、新しいダッシュボードとメタデータモデルをCloudSuite産業分析に追加。ESGレポーティングのためのGRI3XXフレームワークテンプレートや、CSRDのEU特有の開示のためのESRSなど、組み込みのテンプレートを用意している。活動、施設、国などの異なる視点からの報告が可能で、PDF、Excel、PowerPoint、CSVなどへ簡単にエクスポートすることが可能となっている。
なお、新機能のInfor GenAIとESGレポート機能は、4月から早期導入企業向けに招待制で提供を開始している。