ニュース

NTT、工場DX推進に向け効率的なIOWN APN利用に向けた光と無線のリアルタイム連携制御を実証

 日本電信電話株式会社(以下、NTT)は15日、IOWN APN(All-Photonics Network)のさまざまな無線システムへの適用実現に向け、IOWN APNと無線システムを無線の利用状況に応じてリアルタイムに連携制御する実証実験を実施したと発表した。

 実証実験では、IOWN Global Forumにおいて検討中の拡張連携インターフェイス(Extended Cooperative Transport Interface/eCTI)を初めて採用し、マルチ無線プロアクティブ制御技術(Cradio)と、低遅延FDN(Function Dedicated Network)を連携した。これにより、無線利用状況に応じてIOWN APNの光パスをリアルタイムに切り替え、無線(Wi-Fi)~光(APN)区間で、"つながり続けるネットワーク"の提供が可能となることを確認したとしている。

 NTTでは、DXを支えるネットワーク環境としては、無線・有線を問わず、大容量・低遅延な性能に加え、サービスを途絶えなさせない信頼性が重要になると説明。特に、無線ネットワークにおいては、工場内での利用が想定される無線LANやローカル5Gなどの自営無線アクセス環境での対応が重要になるとしている。

 DX導入に向けて課題となるのは、消費電力とコストで、ネットワークの観点では、ネットワーク回線数が増えるほど消費電力・コストも増大する。そのため、工場のDXの普及拡大に向けては、ネットワークの性能・信頼性を担保しつつ、ネットワーク回線の効率的な利用が課題となっていたという。

光無線連携制御概要

 NTTでは、工場内無線環境を想定したWi-FiアクセスポイントとIOWN APN回線を接続し、Wi-Fiアクセスポイント配下の無線端末とクラウドサーバー間で通信する環境を構築し、無線利用状況を把握するCradio機能を実装した無線コントローラーと、IOWN APN回線のリアルタイム切り替えを行う光コントローラーを、eCTIを介して連携させることで、実証実験を行った。

 ユーザー指示に基づく、用途に応じた無線+光連携実証では、工場において、各プロセスのビッグデータ収集作業から遠隔ロボット操作作業への切り替えを想定し、それぞれの作業における性能要件に合わせ、使用するWi-Fiアクセスポイントと接続先クラウドサーバーへの光パスを同時に切り替える実験を行い、連携動作が完了することを実証した。

 無線利用状況に基づく、接続ユーザー端末数に応じた無線+光連携実証では、工場において、接続されるユーザー端末数を検知し、その情報に基づき自動で接続先クラウドサーバーへの光パスを切り替える実験を行い、100ms程度で連携動作が完了することを実証した。

 無線区間の電波変動把握技術、および外部システムとの協調制御(Cradio)は、端末近辺の無線フレームを常時収集する収集BOXで、精緻な無線環境情報を取得することで、無線区間の電波変動を把握する技術。これにより特定のAP(アクセスポイント)に帰属する接続端末数の変化を観測し、その変動をきっかけとして、協調制御機能部へ通知(もしくはユーザー指示に基づき、協調制御機能部へ通知)。協調制御機能部は、外部システムである低遅延FDNの制御機能部に対し、連携制御を実現した。

 光無線連携制御技術は、Cradioと低遅延FDNの制御機能部間で、eCTIを介して無線区間の電波状況や接続端末数、用途変更などの情報をやりとりし、無線+光区間のリアルタイム制御を実現した。

 NWコンピュート連携技術は、光ネットワークの伝送時間とエッジサーバー上のアプリケーションの処理時間をトータルで監視し、サービスが持続可能なようネットワーク経路および使用するエッジサーバーをリアルタイムに同時に切り替える技術。実証では、光ネットワークとしてIOWN APNを適用し、光スイッチの高速切り替えを実現した。

 NTTでは、開発した技術はWi-Fiやローカル5Gなどの自営系無線に加え、Beyond5G/6Gなどのセルラー系システムにも応用可能だと説明。今後は、さまざまな無線システムとIOWN APNの連携動作、各種利用シーンを想定した実証実験を進め、IOWN APNと自営系無線を組み合わせたトータルネットワークソリューションビジネスの展開を目指すとしている。

 また、2024年度中をめどに、IOWN Global Forumにおいて検討中のエラスティックロードバランシング機能に適用し、無線基地局とIOWN APNを連携することで、モバイルシステムの省電力化に向けた実証実験を進めるとしている。