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両備システムズが東京本社を移転、首都圏での事業拡大を推進へ

開所式に合わせ東京新本社の内部を公開

 株式会社両備システムズは11日、2030年までに、首都圏での売上高を現在の約2倍となる200億円に拡大する計画を明らかにした。それに向けて3月25日に、東京・田町に東京本社を移転。フロア面積を約2.2倍に拡張した。

両備システムズの東京新本社が入る G-BASE田町

 両備システムズ 代表取締役副社長兼COOの小野田吉孝氏は、「省庁関連ビジネスの強化とともに、関東エリアを中心としたアパレルや物流向けパッケージビジネスの営業強化を図る。また、東京での新卒採用やキャリア採用による人材確保を推進するほか、M&Aを推進するための主力拠点に位置づける」と述べた。

両備システムズ 代表取締役副社長兼COOの小野田吉孝氏

 同社では、2030年に売上高500億円を目指す長期計画を打ち出しており、計画達成には首都圏での事業拡大が重要な意味を持つことになる。

東京本社 移転増床の背景

 両備システムズは、岡山県岡山市に本社を置き、自治体、医療、社会保障分野などの公共分野、アパレルや物流向けパッケージなどの民需分野において実績を持っており、データセンター事業も展開している。岡山県内を中心に、バスや鉄道、タクシー、ガソリンスタンド、不動産事業などを行う両備グループの1社だ。

 同社は1984年に医療分野向けの営業拠点として東京営業所を開設し、事業の拡大とともに、1987年に東京支社に昇格。1997年には東京本社として、岡山本社とともに2つの本社体制を敷いてきた。

東京本社の役割

 今回の東京新本社の移転は、首都圏を中心とした東日本地域での営業活動および顧客支援の強化を目的としたものとなる。官公庁関連部門、ヘルスケア部門、民需部門、クラウドセキュリティ部門が入り、現在、約250人の陣容を、2030年には400人に拡大。売上高は、現在の100億円から、2030年には200億円に倍増させる。

 小野田副社長は、「東京本社の売上構成比は、現在の約30%から、2030年度には約40%にまで引き上げることになる。首都圏での事業拡大が、売上高500億円達成のキーになる」とした。

東京本社 移転概要

 東京新本社には、両備システムズのほか、グループ会社である自治体向けシステム開発のシンク、CVCであるRyobi Algo Tech Capitalも入居する。開発部門は引き続き、岡山本社が中心となる。

 東京新本社においては、民需ビジネスの拡大が重要な取り組みになる。

 両備システムズ 取締役 営業本部長兼東京本社支配人の古林栄二氏は、「民需ビジネスは、これまでは西日本を中心に展開してきたが、自社開発の民需向けアプリケーションがそろってきたこともあり、首都圏での営業活動を積極化させる。首都圏では、1件あたりの商談規模も大きくなるため、それに対応できる体制を整えていく。角度を持った成長を目指す」と意気込む。

 全社では民需ビジネスの売上構成比は約3割だが、東京新本社では5割にまで引き上げる計画だ。

両備システムズ 取締役 営業本部長兼東京本社支配人の古林栄二氏

 アパレル業界向け基幹ERPシステムの「Sunny-Side」を主力製品のひとつに掲げ、メーカー向け販売管理の「Sunny-Side for Sales/Maker」は、首都圏で2社の導入実績があるが、これを2026年度までに10社への導入を目指す。また、アパレル小売業向けの「Sunny-Side for Retail」は、現在の15ユーザー114ブランドから、2026年度には27ユーザー150ブランドへの導入に拡大する。「優秀な営業担当者を岡山から東京に異動させるなど、アパレル業界向けの営業体制の強化を図る」という。

 駐車場管理システムの「IT-Parking」は、丸の内、横浜、池袋、八重洲など14施設への導入実績があるが、これを2026年度までに30施設に拡大する。「首都圏の駐車場施設だけでなく、地方の道の駅などからの引き合いも出ており、東京新本社を拠点に全国展開を強化していく」と述べた。

 バスロケーションシステムの「Bus-Vision@バスロケ」は、両備バスのほか、神奈川中央交通、立川バスなど、56社7827車両を対象にサービスを提供しているが、2026年度までに70社1万車両に拡大する計画だ。「大手バス会社からの引き合いが出ている。この分野での営業力を高めていきたい」とした。

 スポーツクラブ会員管理システムの「ATOMS-V」は、104法人710店舗の実績をさらに拡大し、2026年度には120法人800店舗の導入を目指す。

民需営業 注力すべきソリューションと目標

 小野田副社長は、「岡山で開発したシステムを、パッケージ化して全国に展開していく地盤を整える。これにより、SI系直販ビジネスから、プロダクト系ビジネスへの移行を促進していく」と述べた。

 両備システムズでは、2024年1月に、民需ビジネス部門と、受託開発に特化した技術サービス部門を統合した共創ビジネスカンパニーを設置。「パッケージおよびクラウドサービスの品質向上、開発スピードの向上につながっている。共創ビジネスカンパニーにおいて、導入サポートなどを担当する社員を東京新本社で増員することになる」(小野田副社長)と述べた。

東京本社移転の目的 ビジネスの拡大

 一方で、公共分野の取り組みにおいても、東京新本社は重要な役割を担う。

 教育、交通、介護、子育てなどのデジタル行財政改革における主要施策への対応や推進強化、パートナーとの協業による事業規模の拡大、同社の強みを生かしたサービスの再構築とマーケット展開、自治体システム標準化への対応および「アフター標準化」市場における事業基盤の構築を目指す。

 小野田副社長は、「デジタル行財政改革では、関連省庁との連携が必須になるため、東京を拠点とした営業活動の強化が必然となる。また、パートナーとの連携強化においても、東京の拠点を活用していく」と述べた。
なお、同社では、2025年にISMAPの取得を予定している。

 さらに、東京新本社は、岡山から東京、さらにはグローバルへ広げるためのハブ拠点としても活用していく考えを示し、Ryobi Algo Tech Capitalによる海外企業への投資も加速させる。また、東京での人材採用を強化する。

 「首都圏の方がM&Aの対象となる会社が多い。強いサービス力があること、AWSやSalesforceの技術を持っていること、グループ会社とのシナジーを生み出せることなどを条件として、M&Aを進める。これまでは10億円規模の買収だったが、対象となる規模を広げていく。また、この3カ月間で、4人のキャリア採用を行った。2025年には東京で15人程度までキャリア採用を増やしていく」とした。

 東京での雇用拡大に合わせた賃金制度の導入も図る。同社では、2026年度までの5年間で20%以上の賃金アップを目指している。

東京新本社の内部を公開

 4月11日に開所式を行うのにあわせて、東京新本社の内部の様子を公開した。

4月11日に行われた東京新本社の開所式の様子

 東京新本社は、JR田町駅および都営地下鉄三田駅から徒歩5分の場所にあるオフィスビルG-BASE田町の6~8階までの3フロアを使用。合計で2256.69平方メートル(679.62坪)と、従来の2.2倍の広さを持つ。

 同社のブランドコンセプトである「ともに挑む、ともに創る」を実現するオフィスと位置づけており、「社員が来たくなるオフィス」、「クリエイティブなオフィス」、「ブランド価値を高めるオフィス」を目指しているほか、「人や地球に優しいオフィス」という要素を加え、環境を強く意識したオフィスづくりが特徴となっている。

コンセプト

 受付がある7階は「おもてなしの心」を打ち出し、ゲストルームやイベントスペースなどを配置。執務フロアとなる8階、6階は、それぞれナチュラルと、アースカラーを基調にしたオフィスデザインとしている。また、自治体システム標準化やガバメントクラウドに関する事業に対応するため、限定した社員しか入室できないセキュリティルームも設置しているという。

 同社では、「2030年へ、働き方もオフィスもパワフルに進化させる」ことを掲げており、2022年11月には岡山本社を移転。東京本社移転はそれに続くものになると位置づけている。

6~8階までの3フロアを使用している
7階
8階
6階
7階のエントランスの様子
100型の液晶ディスプレイでは会社紹介動画などを放映している
岡山県のデニム地を使ったバラの造花
エントランスの展示されている備前焼の壺。伊勢﨑創氏の作品
エントランスの待合スペース
木材を使ったルーバーを配置。デザイン性と機能性を両立している
ゲストルームを3カ所用意。和をモチーフにし、サステナブルをコンセプトにしている
ハンガー掛けには岡山県真備の竹を使用。テーブルには飛騨の杉を使用している
ゲストルームには雪見窓があり、箱庭を見ることができる
こちらのゲストルームのテーブルには繊維廃棄物を加工して作り出したオリジナルデザインを採用している
フェルトを使用した吸音材。ウェブ会議などで利用する際の反響を抑える
ゲストルームの表示板にはあい染めを用いている
HIROBAと呼ぶイベントスペース
HIROBAの自動扉はユニークな形状をしている
カウンターも用意している
ランチタイムには社員がHIROBAを使って食事をするケースも多い
一人で作業ができるブースも用意している
モバイルバッテリーも自由に利用できるようになっている
机の近くまで持ち運んで利用できるバッテリー。夜間電力で充電するという
8階の執務スペースの様子。ナチュラルをテーマに落ち着いた雰囲気を演出している
愛媛県産のヒノキを使用したやぐら型のミーティングスペースを設置
社員がくつろいだ雰囲気でディスカッションを行うシーンも
東北産の栗の木を使ったテーブル。一緒に働くことができるスペースとなっている
中央部分に設置されたミーティングスペース
吸音素材のフェルトで、音の反射と目隠しの役割を持たせている
畳を使ったスペースも用意している
正面に東京タワーを見ながら仕事ができるスペースもある
ウェブ会議を静かな環境で行えるブースをフロア内に用意
社員はそれぞれの仕事に適した場所で作業をしている
ソロワークが行えるスペース
ファミレス風の席。それぞれにディスプレイを配置している
さまざまな高さの机といすが用意されている
すぐに社員が集まってミーティングが行えるスペース
上司との面談の際に横に並んで会話ができるように工夫したスペースもある
社員用のロッカー。300個を用意しているという
コピー機や文具などはオフィス中央部に集中させている
社員の出退勤管理を顔認証で行っている