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日本IBM、生成AIを短期間に導入できる「DSP生成AI拡張機能」を金融機関向けに提供

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、「オープン・ソーシング戦略フレームワーク」の中核ソリューション「金融サービス向けデジタルサービスプラットフォーム IBM Digital Services Platform for Financial Services(以下、DSP)」を通じて、生成AIを短期間に導入できる「DSP生成AI拡張機能」を開発したと発表した。

 金融機関は、DSP生成AI拡張機能を活用することで、生成AI導入による業務の高度化・自動化・省力化などのビジネス効果を早期に享受でき、セキュリティや通信記録管理などで想定されるリスクへの対応に役立つ機能を追加できるとしている。サービス提供開始は5月末予定。

 DSP生成AI拡張機能は、生成AIの効果検証が難しいことや、データやシステムのセキュリティ対応、複数の生成AIの活用状況のモニタリングの難しさなど、全社的な生成AI導入を進める上での課題に対し、安全かつ統制された環境下で生成AIを活用するためのソリューション。

 ソリューションは、「Generative AI Applications:金融機関における各種業務を生成AIで高度化・効率化するアプリケーション群」「Generative AI Gateway:用途に応じて複数のAIモデルを使い分けながら、モニタリングや制御などの統合的な管理を提供するゲートウェイ」「Generative AI Foundations:金融機関に求められるセキュリティ水準を備えたクラウド環境を迅速に構築するインフラ機能」の3つの要素により構成される。

 Generative AI Applicationsでは、金融機関の通常の各業務を効率化するアプリケーションを複数利用できる。アプリケーションはすでに開発済みで、その効果検証もされていることから、費用を抑え、その効果も同時に可視化できる。初期のラインアップとして「融資稟議書作成」「営業トークスクリプト作成」「営業日報作成」の支援や、業界共通で使える「AIチャット」や「文書Q&A」を提供予定。今後も継続的に、DSP生成AI拡張機能に搭載する業務ラインアップを拡大していく。

 Generative AI Gatewayは、用途に応じて複数のAIモデルを使い分けながら、モニタリングや制御などの統合的な管理を提供するゲートウェイ。生成AIの活用状況のモニタリングや制御を一元化するため、watsonx.ai(Granite日本語版など)、Microsoft Azure OpenAI Service(GPT-4など)、Amazon Bedrock(Claude 3など)をはじめとする、主要な生成AIへの接続を集約するゲートウェイとその管理ダッシュボードを提供する。今後、watsonx.governanceや他社製製品との連携など、生成AIの品質管理や生成AIを対象とする新たな攻撃手法に対応する予定。

  Generative AI Foundationsは、金融機関に求められるセキュリティ水準を備えたクラウド環境を迅速に構築するインフラ機能。生成AIを安全な環境で利用できるようにするため、エンドツーエンドでのプライベートなネットワーク接続を含むインフラ環境一式を、最短1日で構築する機能を提供する。また、顧客が開発した生成AIアプリケーションのアジャイル開発をサポートする、DevSecOpsパイプラインもオプションで提供する。

 DSP生成AI拡張機能は、企業が利用中のMicrosoft Azure、Amazon Web Services(AWS)、さらに今後IBM Cloudでの稼働が可能になるため、各企業の環境に柔軟に対応できる。また、すでにDSPを利用している金融機関向けにはマネージドサービスとして提供され、金融APIとのシームレスな連携により、コストパフォーマンスの向上を実現していく。また、DSPを使っていない金融機関も、「DSP生成AI拡張機能」の3つの要素から、必要なものを利用できる。

 日本IBMは、DSP生成AI拡張機能に、IBM watsonx.aiやwatsonx.governanceを組み込むことにより、顧客が責任をもって生成AIを利用できるよう支援し、AIを活用して新たな価値を創造するための共創を進めていくとしている。