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大阪ガス、データ利活用基盤のDWHをOCIへ移行しコスト削減を実現 オラクルとアシストが支援

 日本オラクル株式会社と株式会社アシストは25日、大阪ガス株式会社が、全社的なデータ利活用基盤「Data Utilization Support & Help(DUSH)」のデータウェアハウス(DWH)を、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)で刷新したと発表した。

 大阪ガスでは2010年に、データ利活用基盤であるDUSHの中核を担い、全社で使用可能なDWHをデータベースマシン「Oracle Exadata」にて構築し、経営や各事業部の意思決定の迅速化、スタッフによるデータ活用力の強化を推進していた。

 そのDUSHの更改を2020年から行うにあたって、日本オラクルは、今後のビジネス変化に対して柔軟に拡張や増強が可能なように、クラウドインフラへの移行を提案。その結果、約6000個のテーブルと4000前後の処理を担うデータ分析基盤として、従来のOracle Exadataと同等の性能を持つとともに、Oracle Real Application Clusters(RAC)構成をクラウドで実現でき、最小限のデータベース変更で移行が可能なOCIの採用を決めたという。

 またその際には、最小構成から柔軟なリソースの増減が可能であることや、自律機能による運用自動化を評価して、自律型データベース「Oracle Autonomous Database」の導入を決定。あわせて、従来のシステムからの約20TBのDWH移行を、短い停止時間で実行するために、日本オラクルでは、大阪ガスのグループ向けシステムの構築・保守・運用を担う株式会社オージス総研、および外部ベンダーと共に、レプリケーション製品である「OCI GoldenGate」の活用を提案し、こちらも採用に至ったとのこと。

 加えてコスト面では、クラウドのメリットを生かし、開発期間中はストレージ容量を段階的に増加させたほか、稼働後は、自動スケーリングを用いて利用していない時間のリソースを縮退させる機動性により、コスト最適化を実現したとしている。また、ライセンスのサポート費用を低減可能な「Oracle Support Rewards」を活用することで、さらにコスト削減にも寄与できたとした。

 なお、2024年2月の本番切り替え完了後は、オージス総研とアシストが、運用支援および継続的な技術サポートを行っている。運用管理では、Oracle Autonomous DatabaseならではのSQLチューニングやパッチ適用などの自律機能により、オンプレミス環境では必要だった性能劣化やアラートへの対応が不要となり、日々の運用工数を軽減するとともに、セキュリティ強化にもつながったとのことだ。