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スポーツ用品販売のアルペン、Oracle Autonomous Data Warehouseで統合データ基盤を構築

 日本オラクル株式会社は29日、スポーツ用品販売の株式会社アルペンが、データドリブンな事業運営を支援する統合データ基盤をOracle Cloud Infrastructure(OCI)で提供されるクラウド型のデータウェアハウス(DWH)「Oracle Autonomous Data Warehouse」で構築し、稼働開始したと発表した。

 スポーツ用品チェーンの「スポーツデポ」「アルペン」、ゴルフ用品の「ゴルフ5」など全国約400店舗を運営するほか、EC事業も年150%で成長を続けるなど、デジタル分野にも積極的に取り組んでいるアルペンでは、2023年を目標に、ITコストの最適化、機動性、柔軟性を高めるためのIT基盤構築に取り組んでいる。

 その同社は、情報系システムの内製化にあたり、ECサイトなどのフロントシステム、ローコードによるアジャイル開発、BIツール、分析ツールなどでそれぞれ最適なクラウドサービスを活用するマルチクラウド戦略を採用しているが、データの統合的な分析や利活用を支援するには、データの整理・統合や集計を行うための専用データ基盤をクラウド上に構築する必要があった。

 しかし、各サービスを提供するベンダーのデータベースサービスでは、900万人の会員データや年間1億行にもなる売上明細などの処理を行うには性能が不足しており、ビジネスの拡大に伴い増加する大量データの蓄積、高速処理が可能なクラウドデータベースが求められていたとのこと。

 そこで、複数のベンダーのクラウドデータベースおよび既存のオンプレミス環境を比較検証した結果、大量データの高速処理を実現する高い性能と柔軟性、データのETLの容易性、自律機能による運用負荷軽減といった特徴を持ち、さらにはこれらを低コストで実現可能な点を評価して、2021年6月にOracle Autonomous Data Warehouseを選定した。

 その後、2022年1月からOracle Autonomous Data Warehouseを活用した統合データ基盤を稼働させ、2022年3月からマルチクラウド接続環境で稼働する内製アプリケーションとAPI連携を行って、販売システムからの全データを集約・整理し、統合的なデータ分析・利活用を推進している。

 Oracle Autonomous Data Warehouseでは、これまでのオンプレミス環境と比べて3倍の処理速度を実現したほか、大量データ処理を夜間のみで実行し、自動スケーリングでリソースが自動的に縮退する仕組みにより、システム運用にかかるコストを1/10まで削減できる見込みとのこと。

 なお、オンプレミスで稼働するレガシーシステムの全廃に向け、オンプレミス環境にある基幹システムのOracle Autonomous Data Warehouseへのデータ移行も進めており、2023年末の完了を予定している。