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NTTデータ先端技術、統合運用管理ソフト「Hinemos」で生成AIを用いた実証実験を開始

インシデント対応や分析から属人性を排除し、システム運用の自動化・効率化を推進

 NTTデータ先端技術株式会社は18日、統合運用管理ソフトウェア「Hinemos」において、生成AIを用いてインシデント対応や分析から属人性を排除し、システム運用の自動化・効率化を推進する実証実験を行うと発表した。期間は4月30日までの予定。

 Hinemosは、「収集・蓄積」「見える化・分析」「自動化」といった、統合運用管理に必要な機能をワンパッケージで提供する統合運用管理ソフト。このHinemosでは、このHinemosでは、ITシステムから収集・蓄積したデータなど、運用に関するシステム固有の情報や、NTTデータ先端技術がこれまでに培ってきた設計や保守などに関する運用ナレッジをもとに、生成AIを活用してシステム運用の自動化・効率化を目指す「システム運用AIアシスタント」構想の実現を目指している。

 今回の実証実験では、蓄積したインシデント情報をもとに、Azure OpenAI Service上の生成AIを用いて、解決策の提案やインシデント発生状況の傾向分析を行い、インシデントの早期解決、予防への実効性を検証するとした。

 Hinemosでは、検知したイベントをインシデントとして自動起票でき、容易な操作性でインシデント管理を行える機能を備えている。この機能は軽量な動作のため、多量のインシデント情報の蓄積・検索が可能だが、多くのインシデント情報の中から必要な情報を探し出すために、属人的な記憶や経験に基づいて判断しているケースがよく見られるとのこと。

 そこで実証実験では、発生したインシデントについて、Azure OpenAI Service上の生成AIに自然言語で問い合わせ、過去のインシデント情報をもとに解決策を提案させることで、インシデントの早期解決が図れるかどうかを検証する。これが実現すると、従来は記憶や経験に頼っていたインシデント対応が誰にでも対応可能となるため、属人化の排除と運用の効率化に寄与するという。

 また、蓄積されたインシデント情報からインシデント発生状況の傾向分析やサマリを生成する検証もあわせて実施し、生成された分析結果やサマリをプロアクティブな対応に活用することで、インシデント発生を予防し運用負荷を低減できるかどうかを確認するとしている。

 なおNTTデータ先端技術は、実証実験の結果を踏まえ、システム運用AIアシスタントの2024年度下期の提供開始を予定し、順次サービスの拡充を進める考えである。

生成AIを用いた過去インシデント情報の有効活用