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JSOL、「富岳」の民間利用について相談から報告書提出までを支援・代行するサービスを提供

 株式会社JSOLおよびグループ会社の株式会社理研数理は21日、理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」の民間利用を支援するサービス「『富岳』利活用コンシェルジュ」を提供開始開始した。

 サービスでは、「富岳」の利用方法の提案から、利用報告書の作成・提出までを一気通貫でサポートする。JSOLおよび理研数理は、「富岳」の民間利用を後押しすることで、あらゆる国内産業の国際競争力強化の一助を担うとしている。

 JSOLと理研数理では、産業界においてはスピーディーな商品開発を迫られると同時に、ESGおよびサステナブル経営の観点から、高い安全性の確保と環境負荷の低減も求められており、商品開発の現場においては、シミュレーションを活用した開発がますます有効になっていると説明。しかし、自社の計算リソースでは処理能力に限界があり、計算処理に膨大な時間を要しているのが現状だという。

 「富岳」は、社会的・科学的課題の解決を通じて日本の成長に貢献することを目的に開発され、2021年から産業界への共用が開始された。民間企業が「富岳」を利用することで、それまで研究・開発に当たり膨大な時間を要していた計算時間の大幅な短縮が可能になる。多種多様な産業に、より広く深く浸透させ、実社会において具体的に活用されることが目指されており、「富岳」の利用範囲は、製品設計、材料開発、創薬など、広範に及んでいるという。

 一方で、「富岳」の利用を希望しても使い方が分からない、周りに利用経験のある人がいない、細かな相談をできる相手がいないといったことから、利用に踏み切れないという声があるのも実情だと説明。「富岳」の利用に際しては、利用目的や計算資源量に応じて課題種類を選択して申請し、申請課題は書類などの内容審査を経て選定される。選定後には、「富岳」で動作するソフトウェアを使って大規模計算を実行し、課題終了後には60日以内に利用報告書を提出する必要がある。

 JSOLおよび理研数理は、「富岳」の産業界向け利用マニュアルの作成に携わっており、サービスでは顧客のニーズに適した課題種類の選定から課題申請、必要書類の準備、利用報告書の提出まで、「富岳」の利用に必要な手続きについて、一貫して支援・代行すると説明。また、「富岳」を活用した産学官連携の取り組みに参画した経験豊富なエンジニアが、「富岳」でソフトウェアを実行するための環境構築や、大規模計算実行に対する支援・代行など、顧客の業務課題の解決に向けた「富岳」の利活用方法を提案する。

 さらに、理研数理は、理化学研究所をはじめとするアカデミアと長年にわたる信頼関係を有しており、顧客の研究・開発業務の高度化に向けて、研究者などによる技術指導や共同研究をコーディネートすることも可能としている。

スーパーコンピュータ「富岳」(出典:理化学研究所)