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JSOL、「富岳」のシミュレーション結果をXR技術で可視化

 株式会社JSOLは10日、理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」による高度な科学計算技術を用いたシミュレーション結果について、XR技術(Cross Reality:仮想空間技術の総称)で可視化することに国内で初めて成功したと発表した。

 JSOLでは、「富岳」によるシミュレーション結果はこれまで、二次元の画面上にて再現してきたが、平面上での静的な情報をもとに、より実際的なイメージをするには限界があったと説明。今回、3Dグラフィックを活用してシミュレーション結果を三次元化するとともに、XR技術を用いてVR(Virtual Reality:仮想現実)コンテンツ化を実現したことにより、動的な情報によってより臨場感があり、分かりやすく“体験”できるようになったとしている。

 この技術のトライアルとして、「富岳」による飛沫シミュレーション結果をVR上で可視化し、体験できるコンテンツを開発した。ヘッドマウントを装着することで、VR上に再現したオフィス空間において、複数人で立ちながら、あるいはテーブルを囲んで着座して会話をしている状況下で、どのように飛沫が飛散していくのか、具体的な状況を三次元で追体験できる。

 JSOLでは今後、「富岳」を用いたさまざまなシミュレーション結果について、3DグラフィックおよびXR技術を用いることで、飛沫シミュレーションだけでなく、二次元の画面上では分かりにくかったさまざまな分野への活用ができると説明。「富岳」によるシミュレーション結果をより身近に、リアルに感じてもらうとともに、安全で安心な暮らしや街づくり、災害時の被害の最小化といった社会課題の解決に役立てていくとしている。