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東芝デジタルソリューションズ、ビッグデータ・IoT向けデータベース「GridDB 5.3」を提供開始

 東芝デジタルソリューションズ株式会社は16日、ビッグデータ・IoT向けデータベース「GridDB」の新バージョンとして、IoTデータの集計機能を強化し、データ分析の容易性と精度を向上した新バージョン「GridDB 5.3 Enterprise Edition(以下、GridDB 5.3 EE)」の提供を開始した。

 新バージョンでは、時間とともに値が変化する時系列データの分析が重要になっていることや、センサーや通信のエラーによるIoTデータの欠損の補間、より短い周期でのデータ収集・分析が求められるようになっているといった、IoTデータの活用課題に対応。時系列データの集計機能のほか、欠損データの自動補間機能、ナノ秒(10億分の1秒)単位のデータ処理機能などを追加し、IoTデータの分析の容易性や精度を向上させた。

 時系列データの集計に対しては、ある一定時間間隔内のデータの最大値や最小値、平均値、合計値などを抽出する時系列データ集計機能を追加した。アプリケーション側でデータを取り出して集計する必要がないため、アプリケーション開発が容易になり、かつ高速に分析できるようになる。また、時系列データに対して、長期保存用のデータを間引き(ダウンサンプリング)する機能により、保存するデータ量を大幅に削減できる。

 センサーや通信のエラーなどによるデータの欠損値に対しては、欠損したデータを線形補間や前値補間により自動的に補間する機能を搭載。これによりデータの連続性が保たれ、精度の高い分析や予測が可能になる。

 また、株価や医療機器、ネットワーク監視など、より短い周期でのデータ収集・分析が求められるケースにも対応。従来のGridDBではミリ秒(1000分の1秒)単位のデータしか扱えなかったが、新バージョンではナノ秒単位の時系列データを扱えるようになり、より正確な分析や予測が可能となる。

 セキュリティ脅威への対応では、アクセスログや操作ログ、エラーログなどの監査ログについて、詳細かつ長期間にわたって記録・保管できるようになった。これにより、誰がいつ、何を、どのように実行したかを追跡することが可能になる。

 東芝デジタルソリューションズでは、今後もIoTやビッグデータによるデジタルトランスフォーメーションやサイバーフィジカルシステムを支えるデータベースとして、GridDBを強化していくとしている。