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日本電子計算、金融機関向けにエンドユーザー自身でデータ分析を可能とする内製化支援サービスを提供

 NTTデータグループの日本電子計算株式会社(以下、JIP)は29日、銀行業界のDX実現に向けた取り組みの一環として、金融機関における個人融資の審査から保証会社における保証・求償債権管理業務に対応したソリューション「JIP-RB」のユーザーで、DX強化に取り組んでいる株式会社佐賀銀行と共同で、業務効率化に向けた研究開発の実施状況を発表した。

 研究開発では、JIP-RBを利用の際に取得された過去の審査情報から、融資基準と審査結果の相関関係を検証。検証結果から申し込み内容の不合理チェックや自動判定基準を見直し、目視審査の件数を減らすことで、業務効率化の機会が25%あることを確認した。今後は、さらなる審査精度、業務効率の向上に向けて、個人融資審査のリスクモデル、AIによる審査モデルの構築・検証を計画しており、これらをエンドユーザー自身で行えるよう技術支援を行うことで、佐賀銀行のデジタル人材の育成を支援するとしている。

 JIPは、今回の研究開発とこれまでの知見や技術を生かし、データ分析や予測モデル構築等の目的に合わせたデータ加工や変数定義に加え、分析環境や分析手法の技術支援をサービスとして、2023年度中の提供を目指す。

「データ活用・分析内製化支援サービス(仮称)」サービスイメージ

 このサービス活用により、営業推進などのマーケティング分析から、延滞・代位弁済などのリスク分析、事務効率化に向けた業務プロセスの分析まで、外部に委託することなく自行リソースでの対応が可能になると説明。また、課題が複雑化され、デジタル活用の促進が欠かせない社会情勢の中で、金融機関のデジタル人材育成に寄与するとしている。

 JIP-RBを利用中の金融機関では、蓄積された審査情報のデータ構造が同一のため、データ定義を標準化することで、効率よくデータ分析環境の活用・構築が可能になる。さらに、JIP-RBユーザーをはじめ、複数の金融機関が参画することで、多様なデータを活用・分析できるコンソーシアムなどの共同研究プラットフォームへの発展も見据え、新しい金融ITの実現を目指していくとしている。