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NEC、ローカル5Gの無線品質をAIで分析して運用を容易にする技術を開発

 日本電気株式会社(以下、NEC)は3日、ローカル5Gの無線品質をAIで分析し、通信性能(スループット)が低下した原因を即座に特定して迅速な対処を可能とすることで、電波環境の変化やアプリケーションの通信性能要件に柔軟に対応できる、学習型無線品質分析技術を開発したと発表した。

 また、開発した技術は、NECの玉川事業場(神奈川県川崎市)内に設置したローカル5G環境で、リビングラボの手法による実証を開始した。リビングラボは、「Living(生活空間)」と「Lab(実験場所)」を組み合わせた言葉で、研究開発の場を人々の生活空間の近くに置き、生活者視点に立った新しいサービスや商品を生み出す活動の手法のことを指す。

 NECは、従来の広域ネットワークでは、サービスのエリアごとに通信性能を平均的に向上させる取り組みが進められてきたが、これに対してDXを推進する現場では、ロボットの作業速度や継続性などのアプリケーションの性能が生産性に大きく影響するため、通信性能要件を通信セッション単位で守ることが求められると説明。しかし、実際の現場では、レイアウト変更や機器・モノ・ヒトの移動などにより無線品質が変動し、通信性能が低下することがあり、一方で電波は目に見えないため、低下の原因を特定することが難しく、分析に膨大な時間と労力を要する。このため、原因を自動特定する技術が必要とされていたという。

 今回、NECが開発した学習型無線品質分析技術は、ローカル5Gの通信性能が低下している場所を、電波の受信電力など限られた無線品質のデータからAIでリアルタイムに推定・可視化する。通信性能低下の原因を、無線品質の変動特性をもとにAIを用いて通信セッション単位でリアルタイムかつ自動的に特定する。これらをもとに、基地局の送信電力、アンテナの向きやチルト角などを調整し、アプリケーションを安定して高い性能で継続可能とすることで、現場業務の稼働率や生産性を向上させられる。

 開発した技術は、国際会議The 23rd Asia-Pacific Network Operations and Management Symposium(APNOMS2022)において、Best Paper Awardを受賞。技術により、通信性能低下の原因をリアルタイムかつ高精度で特定可能とすることで、対策までの時間を大幅に短縮でき、5Gの高速・大容量、高信頼・低遅延といった特長を最大限に活用できることが高く評価されたという。

 NECは、ローカル5G事業に本格参入して以来、顧客との議論や実証を通じて、ローカル5Gの本格導入に向けたさまざまな課題に取り組んできたと説明。今後も、ローカル5Gサービスを発展させ、社会実装を進めることにより、社会課題を解決し新たな価値を提供していくとしている。

GUI画面イメージ
実験システム構成