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NEC、消費者の興味や関心などをオープンなデータからAIで推定する「消費者属性拡張」技術を開発

 日本電気株式会社(以下、NEC)は15日、企業がマーケティング施策を立案する際などに必要な顧客の興味や関心などの特性(属性)を、AIを活用して推定する「消費者属性拡張」技術を開発したと発表した。この技術により、顧客の情報を十分に持たない場合でも、Web上のオープンな文書データや他社データから学習した「顧客に似た人」の行動傾向に基づいて、その顧客の特性を推定、マーケティング活動の支援が可能になるとしている。

 技術ではまず、「Aを買う人はBという観点をよく気にする」「Cが好きな人はDも好きなことが多い」など、さまざまな分野での消費者の行動傾向に関する情報を、Web上のオープンな文書データから学習する。自己教師あり学習と呼ばれるアルゴリズムを活用することで、人間が教え込むことなくAIが勝手に学習を進められるため、膨大なWeb上の情報を基に消費者の行動傾向を幅広く学習できる。また、他社の顧客データや専門家の知識が利用可能な場合は、追加の学習により、AIが学習した行動傾向の知識を補強できる。

消費者の行動傾向を学習

 次に、学習した行動傾向のモデルに、自社顧客のデモグラフィック情報(年齢、性別、居住地などの情報)や、サイコグラフィック情報(趣味嗜好やライフタイルなどの情報)を当てはめ、「顧客1はAを買った」という自社のデータから、「Aを買ったのだからBという観点を気にするはずだ」「Bという観点を持つのだからCも好きなはずだ」というように、「顧客に似た人」の行動傾向を基に、段階的に顧客の特性を推論する。

 また、推定した特性がマーケティング施策上の次のステップ、例えば広告クリック率の向上に寄与するかどうかなどを判断することで、推論を適切なタイミングで打ち切ることや、推論過程で得られた特性の取捨選別を行える。これにより、多様な顧客の特性を高い精度で推定することを可能とする。

学習した消費者の行動傾向を基に顧客の特性を推定

 NECと株式会社ジェーシービーでは、開発した技術を消費者向けマーケティング領域に活用する実証実験に2022年9月から取り組み、技術の本格的な活用のための検討に着手している。NECは今後、技術についてさまざまな分野での検証と技術改良を実施し、2022年度中の事業化を目指すとしている。