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NTTデータの2022年度上期連結業績、売上高は二桁増も不採算案件の発生などにより営業利益は微減に

 11月7日、株式会社NTTデータが発表した2022年度上期(2022年4月~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比13.1%増の1兆3714億円、受注高が同3.6%増の6227億円、営業利益が同1.1%減の1079億円、税引前利益が同0.4%減の1106億円、当期利益が同1.3%増の727億円となった。

2023年3月期 第2四半期実績

 NTTデータの本間洋社長は、「売上高は、すべてのセグメントにおいて規模を拡大したことに加え、為替の影響により増収となった。また受注高は、前年同期に獲得した国内における大型案件の反動減はあるものの、海外事業における案件獲得および為替の影響により増加している。営業利益は不採算案件の発生および全社戦略投資の増加などにより前年並になった」と総括した。

NTTデータ 代表取締役社長の本間洋氏

 為替の影響については、「2021年度末からの急激な円安の進行が継続しており、足元では想定した以上の円安になっている。NTT Ltd.を含まないスタンドアローンの業績予想では、為替が1円円安に動いた場合、ドル、ユーロともに、受注高および売上高で約40億円プラス、EBITAおよび営業利益は約2億円プラスとなり、いずれもプラスに働く」とした。

 なお、NTT Ltd.との事業統合は2022年10月となっており、今回の上期業績には連結していない。

セグメント別の業績概要

 セグメント別業績は、公共・社会基盤の売上高は前年同期比2.5%増の2705億円、受注高が同20.4%減の2353億円、営業利益は同32.7%減の191億円。「売上高は中央府省向けサービスの規模拡大などにより増収となり、受注高は前年同期に獲得した中央府省向け大型案件の反動減によって減少した。また、不採算案件の発生などによって減益になった」という。

 金融の売上高は前年同期比2.6%増の3209億円、受注高は同19.2%減の1713億円、営業利益は同13.1%増の331億円。「売上高は大手金融機関向けサービスの規模拡大などにより増収となったが、受注高は前年同期に獲得した銀行向け大型案件の反動減などにより減少した」という。

公共・社会基盤セグメントの概要
金融セグメントの概要

 法人の売上高は前年同期比12.4%増の2481億円、受注高は同8.0%増の1690億円、営業利益は同18.5%増の271億円となった。「売上高は製造業、流通、サービス業向け案件およびペイメントサービスの規模拡大などにより増収。受注高は、製造業向け案件などの獲得により増加した」と述べた。

 また、海外の売上高は前年同期比26.6%増の6254億円、受注高は同28.0%増の5839億円、営業利益は同60.1%増の262億円となった。「売上高は、為替影響および欧州での規模拡大などにより増収。受注高は欧州での案件獲得および為替影響などにより増加した」という。

法人セグメントの概要
海外セグメントの概要

 その他セグメントについては、売上高で前年同期から141億円減、受注高で同21億円増、営業利益で同98億円減となっており、「営業利益は、当初業績予想に織り込み済みの全社戦略投資の増加などによって減益になっている」と述べた。

 なお、2022年7月に実施した組織再編にあわせてセグメント区分を変更しており、旧法人・ソリューションセグメントに含まれていたデジタルソリューションやデータセンター、ネットワークビジネスなどの事業は、新設したテクノロジーコンサルティング&ソリューション部門に移管。これをその他セグメントに含めた。また、旧北米セグメント、旧EMEA・中南米セグメントと、その他セグメントに含まれていた中国・APAC分野を統合し、海外セグメントとして開示している。

開示セグメント区分の見直し

上期における主要な取り組み

 上期における主要な取り組みについても言及した。

 2022年8月に、世界6カ国に「イノベーションセンタ」を設立し、分散していたリサーチャーやコンサルタント、エンジニアを中心とした100人のエキスパートを集約。先進的な技術情報の収集、技術検証や先進的ユーザーとの共創などを行う。「2025年度末までに300人体制に増強し、お客さまとの中長期なR&Dパートナーシップを50件以上創出し、世界トップクラスの先進技術活用力の獲得を目指す」と述べた。

グローバル6カ国に「イノベーションセンタ」を設立

 また、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)開示対応を支援するコンサルティングサービスを新たに提供。「金融庁のルール改正に対応したものであり、TCFD開示のための組織体制の構築から、CO2排出量の算定、削減目標の設定、情報開示の支援までワンストップでコンサルティングを行うことで、お客さまの温室効果ガスの排出量の削減に対する取り組みを持続、進化させる。同コンサルティングサービスを、2023年度内に50社に提供することを目指す」とした。

TCFD開示対応を支援するコンサルティングサービスを提供

 さらに、SAPと共同開発したサプライチェーン保険管理強化ソリューション「Connected Product」では、スペインの物流会社やドイツの保険会社をパートナーとした実証実験を開始していることを示した。

 「グローバルバリューチェーンは、地政学的リスクの高まり、貿易規模の拡大、材料調達の不確実性などにより複雑化している。また、輸送中のインシデント発生にも迅速に対応したいというニーズが高まっている。Connected Productでは、輸送状況に関するさまざまなデータをリアルタイムに監視し、お客さまのニーズを満たすことができる。今後、国際的な保険会社や物流会社向けに、実ビジネスへの適用を予定している」と述べた。

SAPと共同で新たなソリューションを開発

通期業績見通しは据え置き

 一方、2022年度の連結業績見通しは据え置き、売上高は前年比28.1%増の3兆2700億円、営業利益は同11.0%増の2360億円、税引前利益が同6.6%増の2300億円、当期利益が同4.9%減の1360億円としている。

 「下期は、将来の成長に向けた全社の戦略投資を行う予定であるが、顧客からのDX需要の高まりが継続しており、通期目標を据え置き、業績予想の達成を目指す」とした。

事業統合の進捗について説明

 2022年10月1日付で実施したNTT Ltd.との事業統合の進捗についても説明した。

 10月1日に、NTTデータとNTTとの共同出資により海外事業会社であるNTT DATA, Inc.を設立。NTTデータの海外事業とNTT Ltd.を同社に統合。統合後の売上高は約3兆6000億円(2021年度実績の単純合算)、従業員数は約19万人、海外売上高は約2兆1000億円、海外売上高比率は約60%に拡大した。

 「新体制では、海外14万人の専門家チームが、80カ国以上のお客さまにサービスを提供し、お客さまの事業の成長、社会課題の解決に貢献することになる」と述べた。

 今後、2023年7月以降に、NTTデータを持ち株会社化し、新設する国内事業会社に事業を移管し、グローバル経営体制を強化することになる。

事業統合の状況