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デル、「APEX Data Storage Services」の追加機能を発表 顧客主体の新たな管理オプションとパートナー向け再販機能を提供
2022年9月30日 11:30
デル・テクノロジーズ株式会社は29日、ファイル/ブロックストレージサービス「APEX Data Storage Services」(以下、ADSS)の追加機能を発表した。今回の追加機能では、顧客自身でインフラ管理ができるカスタマーマネージオプションを提供するとともに、統合ツール「APEX Console」にパートナー向け再販機能を実装する。同日には、「ADSS」のサービス概要および新たに追加する機能について説明会が行われた。
「ADSS」は、柔軟で拡張性の高いストレージリソースを提供するStorage as-a-Service(サービスとしてのストレージ)で、ワークロードとアプリケーションの運用コントロールを顧客が維持したまま、デル・テクノロジーズにオンプレミス環境のITインフラの保守と管理を任せることができる。
デル・テクノロジーズ APEX事業推進部 ビジネス開発マネージャーの木村紳也氏は、「現在、オンプレミス環境におけるITインフラの調達・運用では、インフラの過剰投資や性能・容量枯渇のリスク、予測不可能なデータ量、CAPEX型予算の制約や柔軟性のないインフラ計画、人的リソースへの制約とそれによる制限など、さまざまな課題を抱えている」と指摘。
「こうした課題に対してADSSは、クラウドバリューをオンプレミス環境で実現することで、ITインフラの俊敏性とコントロール性を向上させ、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を促進する。各種APEX Cloud Servicesを調達・運用・監視するための統合ツール『APEX Console』を提供するとともに、当社のカスタマーサクセスマネージャ(CSM)がサービス利用開始から終了までのライフサイクルをトータルサポートする」と、「ADSS」のサービス概要を説明した。
今回「ADSS」のアップデートとして、顧客自身によるインフラの管理が可能となるカスタマーマネージオプションを新たに提供する。これによって顧客は、as-a-Serviceモデルに対して、大きなコントロール能力を有し、より多くの日常的な管理を自社で行うことが可能となる。例えば、容量使用率の監視やインフラの管理、リソースの最適化といった作業を行うスタッフが存在し、Storage as-a-Serviceを活用する準備が整っているIT部門にとっては最適なオプションとなる。
「従来の『ADSS』では、デプロイから監視、運用、最適化、サポート、デコミッションまで、当社がすべてのインフラ管理業務を統括していた。今回のカスタマーマネージオプションでは、顧客自身でインフラの監視、運用、最適化を行うことが可能となり、各社のニーズに合った最適なas-a-Serviceモデルを柔軟に選ぶことができる。同オプションにおいて当社は、障害対応などを中心に顧客主体のインフラ管理を支援していく」(木村氏)という。
もう一つのアップデートとしては、統合ツール「APEX Console」にパートナー向け再販機能を実装する。この機能により、各パートナーは、自社のサービスを付加して、より高い柔軟性を求める顧客の要望に応えることが可能になる。同機能は、自社の付加価値機能を「ADSS」とともに顧客に提供したいと考えているパートナーにとって最適なソリューションとなる。
木村氏は、「例えば、ディストリビューターやソリューションプロバイダーの場合は、『APEX Console』上からサブスクリプションの設定や価格の確認、ドラフト注文の作成および確認、デル・テクノロジーへの発注を行うことができる。さらに、現在のコスト内訳を確認し、請求書類にアクセスできる。また、クラウドサービスプロバイダーの場合は、『APEX Console』で管理されるものを含めて、『ADSS』のすべての側面において責任をもつとともに、『APEX Console』を使用して新しい『ADSS』の設定および注文を行うことが可能になる」としている。
説明会の最後には、デル・テクノロジーズ APEX プロダクト マーケティング フィールドマーケティングコンサルタントの野崎絵里佳氏が、「APEX Console」の主な機能や特徴についてデモンストレーションを通じて紹介した。
なお、同社では、「ADSS」をリスクゼロで利用できるトライアルプログラムを用意している。初回サブスクリプションからの90日間でサービスに満足できなかった場合、料金を全額返金する。利用中止に際して、特に質問などが行われることはないという。