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南紀白浜空港にて、MRやローカル5Gを活用した「MR空港体験」の実証実験を開始

南紀白浜エアポート、NEC、凸版印刷、マクニカ、JALの5社が共同で

 株式会社南紀白浜エアポート、日本電気株式会社(以下、NEC)、凸版印刷株式会社、株式会社マクニカ、日本航空株式会社(以下、JAL)の5社は14日、和歌山県の南紀白浜空港において、MR(Mixed Reality:複合現実)技術やローカル5Gを活用し、仮想空間にあるデジタルコンテンツと滑走路などの現実空間を融合させた「MR空港体験」の実証実験を開始したと発表した。3月に発表した、先進テクノロジーを活用した実証の一環として実施されるもので、8月には一般の来訪客を対象とした体験会も実施する。

 「MR空港体験」は、仮想空間上の飛行機へ自由にペイントを施すとともに、そのペイントしたオリジナル飛行機が、実際の滑走路に実寸大のサイズで着陸する様子を見られるサービス。

 MRグラスを装着した参加者の前に1/4.2スケールの3D飛行機が現れ、飛行機の形を感じながら、クレヨンやスプレーなどを使って、その機体をペイントできる。この際には、参加者それぞれのペイントした情報が、ローカル5Gを介して低遅延で同期されるため、お互いのペイントの様子をリアルタイムに確認し、参加者全員で協力しながら1つのオリジナル飛行機作りを楽しめるという。

 またMRグラスをかけていない見学者も、ターミナルビル内のディスプレイから、参加者が飛行機にペイントする様子を見学することが可能だ。

ペイントしている様子

 ペイント体験後は、実際の飛行機の離発着地である羽田空港から南紀白浜空港までの地形を3D化したフライトレーダーが、MRグラスを装着した参加者の目の前に出現。羽田空港を出発したオリジナル飛行機が映し出され、南紀白浜空港までの飛行の様子や、日本上空を運航しているオリジナル飛行機を確認できる。

 また、富士山など日本列島上の有名スポットを探して解説を見るなど、さまざまな楽しみ方ができるとした。

 さらに参加者が場周道路に移動後、MRグラスを装着すると、ペイントを施したオリジナル飛行機が上空に現れ、実寸大の飛行機が実際の滑走路に着陸する様子を見学することが可能だ。ビルから場周道路への移動は、自動運転車両に乗車して行われる。

3Dフライトレーダー上のオリジナル飛行機映像イメージ
オリジナル飛行機着陸映像イメージ

 なお南紀白浜空港では、南紀白浜空港バックヤードツアーとして、場周道路からの航空機の離発着見学など、普段は立ち入りができない空港の裏側を見られる体験ツアーを実施しており、今回の取り組みは、同ツアーのさらなる拡充と空港を楽しむ新たな体験コンテンツの提供が目的。2023年度以降の常設サービス化を目指すとしている。