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JALとNEC、デジタル技術の活用による新たな旅行体験の実現に向けた協業を開始

映像分析・生体認証技術を活用した実証実験を実施

 日本航空株式会社(以下、JAL)と日本電気株式会社(以下、NEC)は4日、デジタル技術を活用した新たな旅行体験の実現に向けて、協業開始を開始したと発表した。

 JALとNECでは、新型コロナウイルスによる感染症が世界中の人々の行動様式に大きな影響を与えており、従来とは異なる価値観・社会に対応したスタイルへの変革が進んでいると説明。協業では、NECが2019年1月から株式会社南紀白浜エアポートなどと南紀白浜で行っている「IoTおもてなしサービス実証」にJALが参画し、映像分析や生体認証を活用した実証実験を実施する。

 JALはこの取り組みにより、待ち時間を感じさせないストレスフリーな旅行体験の提供を、NECは生体認証データを活用して安全で快適な旅行体験の実現を目指す。

 実証実験の第1弾としては、南紀白浜空港における笑顔写真撮影サイネージを9月4日から実施。搭乗までの時間を楽しんでもらうために、ディスプレイの前に立つと記念撮影を楽しめるサイネージを搭乗待合室に設置する。笑顔を採点する機能もあり、点数に応じて変化するオリジナルのフォトフレームで撮影が楽しめる。

 また、NECが南紀白浜エリアで実施している、顔情報を用いてホテルの出迎えからキャッシュレス決済までをスムーズに行える「IoTおもてなしサービス実証」に登録しているユーザーは、顔認証システムにより、登録しているメールアドレスに写真データを送信することが可能となる。

笑顔写真撮影サイネージのサービスイメージ

 第2弾では、南紀白浜空港における手荷物待ち時間可視化サイネージを、2020年10月末からの実施を予定する。手荷物受取所に設置した液晶ディスプレイのカメラで個人を認証し、IoTおもてなしサービス実証に登録されたJALマイレージバンク会員のステイタス情報に基づき、預かった手荷物の返却予定時刻をアニメーションで分かりやすく案内する。予定時刻の案内により、返却開始までの時間を有効に利用できる。

手荷物待ち時間可視化サイネージのサービスイメージ

 第3弾では、羽田空港の顔認証による手ぶら決済を、2020年10月末からの実施を予定する。南紀白浜地区で実施している顔認証によるキャッシュレスで非接触な手ぶら決済を、羽田空港でも利用できるようにする。株式会社JALUXエアポートが運営する空港店舗「BLUE SKY」の22番ゲートショップにおいて、IoTおもてなしサービス実証に登録されている決済情報をもとに、搭乗前に財布代わりに「顔」で買い物をすることができる。羽田空港での顔認証決済は初めての取り組みになるという。

 JALとNECでは、今後もデジタルを活用した技術の検証をさらに進め、安全で安心な旅行体験を実現していくとしている。

羽田空港の顔認証による手ぶら決済のサービスイメージ