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保安検査を支援する南紀白浜空港でのAI実証実験に、JALが参画

 日本航空株式会社(以下、JAL)は、株式会社南紀白浜エアポートと株式会社日立製作所(以下、日立)が2021年8月から実施している「保安検査を支援する人工知能(AI)技術の実用化に向けた実証実験」に、3月1日より参画した。3月末まで、南紀白浜空港にて実証実験を行うという。

 保安検査の一つである手荷物検査では、検査装置を通過する手荷物にX線を照射させ、画像処理により鮮明化された画像をもとに、保安検査員が目視で危険物を検知しているが、セキュリティレベル維持のために危険物の見逃しが許されないなど、保安検査員にかかるストレスが極めて高い状況であり、その軽減が課題になっているという。

 また労働人口が減少していく中で、熟練の検査員による検知ノウハウの継承は重要であるものの、人材育成は容易ではなく、経験の浅い検査員は検知に時間を要するといった課題もあるとのこと。

 そこで実証実験では、既存X線装置の操作をそのままに、AIが視覚的なサポートを実施し、検査員の負荷軽減を図っている。具体的には、AIがX線の画像を分析して検知した物品名を表示し、注意を促す仕組みで、物品が重なっていても見分けられるとした。

 今回のJALの参画により、これまでの実証実験でAIに学習させた危険物の情報に加え、JALが提供する保安検査に関するノウハウを踏まえ、ソフトウェアのチューニングおよびAIの追加学習を実施可能になった。X線検査装置にて取得した手荷物画像データに対する自動検知状況(検知率、誤検知率)、および保安検査員の評価を確認する。

 なお3社ではこの実証実験により、空港の保安検査業務の高度化および検査時間の短縮化を図る考えだ。