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NTT ComとNTTデータ、ドイツ「Catena-X」と相互接続可能なデータ流通プラットフォームを共同開発

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)と株式会社NTTデータは27日、日本電信電話株式会社(以下、NTT)が提供する技術および、欧州「Gaia-X」に関するこれまでの取り組みで獲得した知見をもとに、ドイツの自動車メーカーなどが運営するデータ流通プラットフォーム「Catena-X」と相互接続が可能な、新たなデータ流通プラットフォームの開発に取り組むと発表した。NTTは、ハードウェア暗号化技術を活用し、データとそれを分析するプログラムを秘匿したまま計算できるセキュリティ技術などを提供し、プラットフォームの実現を支援する。

 NTT ComとNTTデータでは、カーボンニュートラルの達成や資源循環社会の実現などの課題解決が、持続可能な社会を目指す上で広く求められており、その際に必要となるのが、企業や組織間で安全にデータを流通するための仕組みになると説明。例えば、カーボンニュートラルの達成において、グローバルバリューチェーンのCO2排出量を算出するには、データが改ざんされることなく、信頼性が保証され、組織間で相互に排出量データを流通できる仕組みが必要となるとしている。

 しかし、特定の国や地域のポリシーを反映したデータ流通プラットフォームを構築した場合、各国や地域の商習慣や法規制が異なるため、一部の国や地域での利用に限られ、相互にデータを流通させることが困難となることが想定されると説明。その解決策として、さまざまな企業や団体と連携し、相互にデータを流通できる仕組みの検討を進めているという。

 こうした、企業や組織間における安全なデータ流通を実現するために注目されているのが、欧州のデータ流通構想をまとめたGaia-Xで、ドイツの自動車メーカーやIT企業は、Gaia-Xで提唱される主要な技術の1つである「IDS」を用いて、「Catena-X」をドイツ国内に構築している。自動車業界の企業1000社が相互かつ安全にデータを流通することが可能なプラットフォームで、今夏にサービス提供を開始する予定となっている。

 今後、ドイツの自動車関連企業と取引する日本企業も、Catena-Xを利用したデータ流通を求められることが想定されるが、日本企業がCatena-Xでデータを流通する場合、欧州のポリシーでデータが管理されることになり、日本のポリシーでデータを保護することが困難になる。そのため、欧州のデータスペースと相互接続でき、日本のポリシーで安全にデータを管理できる仕組みを実現することが課題となる。

データ主権を保護できるデータ流通プラットフォームの全体像