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メルカリがServiceNowの「App Engine」を採用、部門横断型のデジタルワークフローを実現

 ServiceNow Japan合同会社は11日、株式会社メルカリが、ServiceNowのローコード・ノーコードアプリ開発を支援する「App Engine」を、全体最適化のプラットフォームとして採用したと発表した。さらに、IT Service Managementも採用し、社内ITに関わる資産管理や問い合わせ対応などで順次活用していくとのこと。

 メルカリでは従来、社内DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みとして、各部門がそれぞれの業務効率化を目指して部分最適化したシステム導入を行ってきた。その結果、部門内の業務改善は行われたものの、部門を横断した申請や問い合わせをする場合は、各部門においてそれぞれのフォーマットで申請する必要があるなど、煩雑な作業が必要になってしまっていたため、全社を通じて効果的なワークフローを自動化する仕組みを模索していたとのこと。

 また、プラットフォームとして活用していたクラウドサービスは、部門でのシステム開発・運用は容易に行える一方で、社内で利用しているコミュニケーションツールをはじめ、さまざまなクラウドサービスとの連携が困難だったという。

 そこでメルカリは今回、ServiceNowのApp Engineを全体最適化のプラットフォームとして採用した。これにより、社内で必要となる、利用頻度の高いあらゆる問い合わせや承認申請に対して、部門横断型のデジタルワークフローを実現するアプリを開発し、一括して提供できるようになった。

 従来は、各承認者や部門への個別申請を提出すること、また申請に必要な手順を従業員が把握しておくことが必要だったが、App Engineにより、プロセスを従業員が把握していなくても、従業員からの承認申請を起点に、必要なレビューや承認が部門を横断するデジタルワークフローを用途別で開発可能となり、必要なプロセスを自動化できたとした。

 今後は、与信管理システムや基幹系システムとも連携し、何かを発注して請求を受けた時に、承認された予算枠を特定し、そこから支払いを行うワークフローの実用化も視野に入れている。

 またメルカリでは、承認申請などのデジタルワークフローの開発に加え、従業員が社内の各種手続きに関する手順や規約を閲覧するためのポータルサイト「merportal(メルポータル)」についても、App Engineでユーザーエクスペリエンスを考慮したデザインに刷新した。これにより、ポータル内でよく検索されるワードや、各ページの閲覧数などの分析が可能になったため、継続的にユーザーエクスペリエンスの向上を図ることも可能になったとしている。

 さらに、申請・問い合わせサイトと「merportal」を統合し、よりいっそう従業員体験を向上させることを検討しているほか、メルカリの海外拠点である米国でも、同様の仕組みを展開する予定とのことだ。