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PFU、中堅企業向けの改正電帳法対応支援パッケージを提供 必要要件を満たして取引書類を電子保存可能に

 株式会社PFUは12日、Boxを利用し、改正電子帳簿保存法(以下、電帳法)で定められた要件を満たす形で書類などの保存を行うソリューション「あんしんエビデンス管理(Box)」を提供開始すると発表した。

 改正電帳法は2022年1月から施行され、電子取引における電子データ保存が義務化されたが、2年間の猶予期間が設けられている。「大企業ではすでに改正電帳法への対応が完了しているところも多いようだが、中堅企業以下では、これから対応の準備を始めるところも多い。そこで中堅企業をターゲットに、改正電帳法に対応した保存を簡単に行えるソリューションを提供する」(PFU ドキュメントイメージング事業本部ドキュメントビジネス事業部ファイリングサービス担当 江上伸一氏)という。

PFU ドキュメントイメージング事業本部 ドキュメントビジネス事業部 ファイリングサービス担当の江上伸一氏

 企業が利用する複数の業務システムすべてに利用できるソフトであることと、導入ガイドをセットで提供していることが特徴。紙で文書を管理していた場合と比べて、省力化、スペースなどの効率化を実現できる点が特長で、PFUでは3年で150社への導入を目指す。

ソフトウェアや導入ガイドなどを一括して提供可能

 「あんしんエビデンス管理(Box)」は、改正電帳法の法令要件に対応したソフトウェアと導入ガイドがセットになったパッケージ製品だ。

「Box」で電帳法に対応するためのツールを提供

 改正によって必要書類を紙から電子保存する際のハードルは下がったものの、タイムスタンプの付与、保存した書類が検索できることなど、いくつかの要件を守ることは必要となるが、同パッケージでは、文書登録ツールなどの電帳法対応サポートソフトを用意しており、改正電帳法に対応した形でBoxに書類を保存する際、これを利用することによって、電帳法に必要な属性情報の付与などを容易に行えるようにしている。

 また改正電帳法では、登録した文書を検索できることが必要要件となっている。Boxにも検索機能はあるが、メタデータでの検索には手間がかかることから、改正電帳法の要件に最適化した検索画面を用意。改正電帳法要件の検索項目のみを表示し、特有の検索条件をワンタッチで指定して検索できる。

文書登録ツール

 「当社がターゲットとしているのは、Windowsの会計、販売管理、経費精算など、複数の業務システムを利用している企業。社内で数十人のスタッフがシステムを利用し、ドキュメントを紙でプリントアウトし、数万枚から数百万枚を保存してきたケースを想定している」(江上氏)。

「Box」で電帳法に対応するためのツールを提供

 Windowsの複数システムの文書を保存できることで、個々のシステム向けの保存ソリューションを利用する場合に比べ、煩雑さを避けられる。汎用的な文書管理システムであるBoxに対応していることから、利用しているシステムがなんであっても、新たに付け加えて利用することが容易となっている。

 「従来、紙にプリントアウトしていた場合に比べ、電子化によって書類を保存するスペースを減らすことができる。さらに書類を探し出すことなども容易になるため、紙で保存していた時代に比べスタッフ1人分の作業を軽減し、コストダウンにつなげられる」(江上氏)。

 紙の文書をスキャナーで読み込む場合、PFU以外のスキャナーを利用することも可能だが、PFUの業務用スキャナー「fiシリーズ」は、改正電帳法のスキャナー保存で規定される解像度、諧調性、圧縮強度などの画質要件を満たす「e-文書モード」を搭載。あんしんエビデンス管理(Box)のスキャナー設定手順書通りに設定すれば、法令要件に対応するなど、スキャナーを使った改正電帳法対応を効率的に行うことができる。

 新製品が特徴的なのは、改正電帳法をスタートさせるにあたって社内体制をどう作ればいいのかなど、わかりにくい点もあることから、ソフトウェアだけでなく、導入ガイド(標準)と導入後の運用サポート(オプション)も提供していることだ。

 このうち導入ガイドには、次の4つを搭載している。

1)改正電帳法を順守するために必要となる規定を取りまとめた社内規程を作るために、スキャナー保存4種、電子取引2種のひな形から選択して作成する「事務規定」
2)9種類のひな形から選択して作成する、電子での保存を行う業務フロー、担当者と役割、システムと処理を定義する「システム化業務フロー」
3)事務規程とシステム化業務フローに沿って、業務システムを含めたシステムの操作方法を記述した「事務マニュアル」
4)改正電帳法の規定に沿った業務システム、カラープリンタなどの操作説明書

 「イチから紙の文書をデジタル化し、社内で保存し、さらに改正電帳法を順守するためには、どう社内体制を整えれば良いのかといった道案内が必要となる。当社はスキャナーメーカーとして、今回の改正以前から電帳法への対応に取り組んできた。そこで獲得したノウハウ、お客さまからあがってくる声を導入ガイドとして提供し、改正電帳法対応への道案内としてもらいたい」(江上氏)。

 さらに、導入後の運用を支援するプロフェッショナルサポートをオプションで用意。業務や運用に関する質問に対応する。

 価格(税別)は、あんしんエビデンス管理基本パック(Box)が年間150万円。ユーザーライセンスは10ユーザー単位で、年間15万円から。オプションで提供するあんしんエビデンス管理プレミアムサポート導入ガイドレクチャーは100万円。同じくオプションで提供する導入後に利用する、あんしんエビデンス管理プレミアムサポートプロフェッショナルサポートは年間60万円。

価格・商品構成