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アクロニス、2022年のクラウドビジネス戦略を発表
あらゆる規模の環境・ユーザー層に対応するオールインワンソリューションを提供へ

 アクロニス・ジャパン株式会社(以下、アクロニス)は8日、2022年のクラウドビジネス戦略に関する記者説明会を開催した。説明会では、同社が提供するサイバープロテクションにおける国内外のクラウドビジネスの状況および2022年の戦略や製品ロードマップなどについて説明した。

 まず、グローバルのビジネス概況について、アクロニス 暫定ゼネラルマネージャーのハネス・ミガ=ビエク氏は、「2022年は、当社にとって拡大・急成長の年と位置付けている。年間経常収益(ARR)は3億ドル以上で60%以上の成長、中でもクラウドビジネスは90%以上の成長を見込んでいる。また、3万5000以上のサービスプロバイダ、および100万以上の顧客に対応することを目指している。現在、従業員数は1700人以上、拠点数は34カ所以上となり、150以上の国と33以上の言語に対応している。データセンター数は世界40カ所以上に拡大しており、今後1年半で100カ国以上にデータセンターを設置する予定だ。そして当社の提供する『Acronis Cyber Protect』は、180万超のワークロードを保護し、100万超のサイバー攻撃を防止している」と述べた。

アクロニス・ジャパン 暫定ゼネラルマネージャーのハネス・ミガ=ビエク氏

 今後のビジネス戦略としては、「中小企業の多くは、デジタル化のプレッシャーやサイバー脅威の増加・複雑化、専任スタッフの不在など、さまざまなIT課題を抱えており、サービスプロバイダの必要性が高まっている。これに対して当社のサイバープロテクションソリューションでは、クラス最高のローカリゼーション、優れたTCO、個々のパートナーにあわせた支援を提供し、サービスプロバイダをサポートし続けていく」(ビエク氏)との方針を示した。

 日本市場についてビエク氏は、「当社では、地域ではなく国ごとにカスタマイズしたアプローチを行っている。その中で日本は、長期的な戦略的市場と位置付けている。今後、日本市場にあわせた製品・機能を展開し、サイバープロテクションの導入を加速させる。そのために、日本向けのローカリゼーションや機能性、有力ベンダーとの統合、地域の顧客からの要望への対応など、国レベルでのサポートをさらに強化していく」と、日本市場の重要性を強調した。

 2022年の製品ロードマップについては、「2021年は、主に『マネジメント』と『セキュリティ』の機能を強化・拡充した。2022年は、『Acronis Endpoint Detection and Response』、『データ漏えい対策』、『サービスプロバイダの保護』に力を注いでいく。特に、『Acronis Endpoint Detection and Response』では、顧客がサイバー攻撃を受けた際のインシデントの調査時間を数分までに短縮し、パートナーによる早急な不正アクセスへの対応をサポートする。また、2022年のISVパートナーのインテグレーションとしては、『AXLGER』、『cloudmore』、『ALSO』、『ATERA』などを予定している。このほかにも、パートナーの要望にあわせて、積極的にインテグレーションを拡充していく」との計画を明らかにした。

アクロニスの製品ロードマップ

 次に、アクロニス クラウドビジネス本部 本部長の土居昌博氏が、日本市場におけるクラウド事業戦略を説明。「クラウドアプリケーションの爆発的な成長やIT部門以外での購入の拡大などにより、販売チャネルとサービスに求められるニーズは大きく変化している。従来のように、単に製品を販売するだけはなく、サービスや結果にフォーカスしたマネージドサービスが求められてきている。こうした市場背景を受け、当社では、ユーザー数や企業の規模に関わらず、現在のより複雑化した脅威からすべてのワークロードを保護し、セキュリティ格差をなくしていくことをクラウド事業戦略の柱としている」と語った。

アクロニス クラウドビジネス本部 本部長の土居昌博氏

 具体的には、「あらゆる規模の環境・ユーザー層に対応するオールインワンのソリューションを提供することをビジョンに掲げ、クラウド正規販売代理店を通して、認定SPパートナーがAcronisのテクノロジーを使った独自サービス(ブランドや価格を含めて)をエンドユーザーに提供するというチャネル戦略を展開していく。これに向けて当社では、国内データセンターで認定SPパートナーが独自のサイバープロテクションサービスを提供できるマルチテナントのSaaSプラットフォーム『Acronis Cyber Protect Cloud』を従量課金で提供していく」(土居氏)との考えを述べた。

製品カテゴリーとチャネル戦略

 2022年に向けたクラウド事業の展望について土居氏は、「チャネル戦略では、大規模から小規模事業者まで、新規SPパートナー数をさらに拡大し、認定クラウドディストリビュータとの連携強化を図る。また、既存SPパートナーの育成支援に注力するとともに、ITベンダーがマネージドサービスを行うための啓発活動も推進していく。プラットフォーム戦略では、ユーザー、管理者、サービス事業者の誰もが使いやすいプラットフォームとして、機能改良とアップデートを継続していく。特に、新機能追加によるサイバープロテクションの適応領域の拡大や、サードパーティのソリューションをシームレスに統合できるようプラットフォームの拡張を進めていく」との方針を示した。