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プライバシー問題ではデータ侵害が最大の懸念という回答が64%に、アクロニス調査

 アクロニス・ジャパン株式会社(以下、アクロニス)は17日、データプライバシーに関する調査「2025年のデータプライバシーは? サイバー保護に関する消費者の考え方に関する調査(Data Privacy in 2025: A survey to explore consumer views on cyber protection)」の結果を発表した。

 調査結果では、データ侵害の広まり、二要素認証などのセキュリティツールの採用、モバイルセキュリティや定期的なバックアップなどの実践における、認識と現実との大きな落差が明らかになったと説明。特に注目すべきは、回答者の64%(日本は55%)が、最も重要なプライバシー問題としてデータ侵害を挙げている点で(日本は2位。1位は個人情報への不正アクセス)、個人のサイバー防御強化が急務であることが明らかになったとしている。

 データプライバシーにおける懸念点は、1位が「データ侵害またはハッキング」、2位が「個人情報への不正アクセス」、3位が「フィッシングまたは詐欺の企て」となり、セキュリティに対する危機意識があると説明。ただし、回答者の25%がデータの盗難または損失の被害に遭っている一方、12%はサイバー攻撃の被害にあったかさえも分からない状態で、多くのサイバー攻撃が発見されないままになっている可能性があるとしている。

 バックアップを行う割合は、世界では3分の2(66%)の人がデータを定期的にバックアップしていると回答した一方、日本の消費者ではこの割合は45%となった。また、バックアップとは何かを知らないという人の割合は4%(日本は8%)となった。

 使用するパスワードは、3分の2以上(68%、日本では32%)の人が強力な、一意のパスワードを使用している反面、侵害に対する重要な防御策である、二要素認証(2FA)を導入している人は半数を少し下回るレベル(46%、日本では40%)となった。

 モバイルセキュリティの導入は、回答者の43%(日本は40%)がモバイルセキュリティアプリを使用しており、スマートフォンが今日のデジタルライフに欠かせないものとなっていると指摘。一方で、モバイルセキュリティアプリを使っていないうちの35%(日本は33%)の人が、そもそもモバイルセキュリティのツールを知らないと回答している。

 セキュリティ意識については、60%以上の人がデータセキュリティを「非常に重要」と位置付けているが、パスワードを頻繁にアップデートしている人は約40%に過ぎず、70%近くの人が公共Wi-Fi上で機密情報を扱っていた。

 セキュリティツールに関しては、回答者の30%近く(日本は25%)が複雑さを理由に、25%(日本は15%)が高価格を理由に使用に踏み切れないとしている。

 世代間の格差では、侵害インシデントの被害にあった経験があると答えた人は、若い消費者(35歳未満)のほうが年長者(55~64歳)よりもかなり多くなっており、若い消費者のほうがリスクの高いデジタル行動を取っている可能性があるとしている。

 一方で、動画を使用したサイバーセキュリティ教育が広まりつつあり、44%の人がオンライン動画を見て、安全性のベストプラクティスを学んでいると回答しているという。

 今回の調査では、サイバー脅威に対する意識の向上の一方で、世界中の個人レベルのプロアクティブなセキュリティ対策の不足という、対照的な結果が明らかになったと説明。データプライバシーデーを契機とした行動の呼びかけとして、アクロニスでは、定期的なデータバックアップ、二要素認証の導入、モバイルセキュリティアプリの使用などの、基本行動を開始するよう消費者に求めている。