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キヤノンITS、教育ビッグデータの蓄積と分析支援でジンジャーアップと協業
2021年11月30日 12:14
キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は30日、LMS(Learning Management System:学習管理システム)やデジタル教材を活用した学習データの収集・利活用に取り組む教育機関を支援するため、株式会社ジンジャーアップと2021年12月上旬より協業を開始すると発表した。
キヤノンITSとジンジャーアップでは、xAPI仕様に準拠し、学習システムの有効なアクティビティデータを格納するデータベースであるLRS(Learning Record Store)構築など、情報環境の整備において協業する。
キヤノンITSでは、オンライン授業の実施など「教育のデジタル化」が急速に進み、教育機関にはLMSやデジタル教材といった学習支援システムを用いた学習データ(教育ビッグデータ)が蓄積されており、そのデータの利活用の研究や取り組みが行われていると説明。また、蓄積された学習履歴データを分析・可視化し、学習者や教員にフィードバックすることによる、学習支援と教育改善も求められているという。
こうした教育ビッグデータの利活用に対するニーズに対応するため、キヤノンITSの教育機関向けソリューション「in Campusシリーズ」をはじめとする学習支援システムと、日本国内で唯一ADL認証を取得したLRSを保有し、EdTechを活用した教育と人材開発のためのノウハウ・実績を持つジンジャーアップとの協業を開始するとしている。
協業により、キヤノンITSでは、学習支援システム内にある学習履歴の分析に必要な項目を抽出し、ジンジャーアップにより提供されるLRSにxAPI形式で蓄積(インプット)する。また、「in Campusシリーズ」のWebインターフェイスなどを通じて、学生や教員に分析のレポートをフィードバック(アウトプット)するといった環境構築を行う。
ジンジャーアップは、LRSの構築とそれに必要なステートメント定義、蓄積されたデータの定型分析や個別分析の支援を行う。
さらに、教務・学生情報システムからデータを連携することで、より多角的な分析とフィードバックが可能になると説明。例えば、学生は「優秀な学生と自分は日々の取り組みにどのような違いがあるか」といった気づきと把握につながるとしている。
また、教職員は、学習レコメンドによるアダプティブな指導や、進学・就職先情報からの傾向の把握、ネガティブサイン(成績ダウンや欠席状況)の早期発見・対策立案など、エビデンスに基づく「教育の質保証」「学修者本位の教育」が実現できるとしている。
キヤノンITSでは、教育機関における学習データ(教育ビックデータ)の収集・利活用について、今後ますます重要性が高まっていくとして、AIやVR/ARなどの先端技術を取り込み、教育ビッグデータの利活用による学習データの収集・分析の領域で、in Campusシリーズとの連携サービスの拡充や分析ツールの開発など、教育DXの実現に向けてさらなる提供価値の拡大を目指すとしている。