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ソフトバンクなどが参加する光海底ケーブル「Asia Direct Cable(ADC)」、NECが建設を完了
2024年12月20日 10:00
日本電気株式会社(以下、NEC)は19日、中国、日本、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムを結ぶ大容量光海底ケーブル「Asia Direct Cable(ADC)」の建設を完了し、ADCコンソーシアムに引き渡したと発表した。
ADCコンソーシアムは、ソフトバンク株式会社、NT(Thailand)、China Telecom、China Unicom、PLDT、Singtel、Tata Communications、Viettelといった、通信およびテクノロジー企業で構成されたグローバルなコンソーシアム。
ADCは、総延長距離約1万kmの光海底ケーブルで、最新の光波長多重伝送方式を採用し、160Tbps以上のトラフィックを伝送できるように設計されている。同ケーブルの敷設により、東アジアおよび東南アジア地域における大容量のデータ伝送が可能になる。
また、ADCは、日本とシンガポールを結ぶ基幹システムとしては約8年ぶりに新設された光海底ケーブルになり、アジア地域で急増する通信需要に対応するための重要なインフラとして、新たなコミュニケーションの道を開き、将来的な社会の発展に貢献するとしている。
ソフトバンクは、ADCの日本の陸揚げ局として、千葉県南房総市に所在する「ソフトバンク丸山国際中継所」を提供している。ソフトバンク丸山国際中継所は、2020年8月に運用を開始した太平洋横断光海底ケーブル「JUPITER」など多数の海底ケーブルが接続されており、2019年12月には、最新鋭のセキュリティ対策と強固な災害対策を施した新局舎が竣工し、国際通信のハブとなるデータセンターとして重要な役割を担っている。
ソフトバンクは、長年にわたって培ってきた豊富な国際海底ケーブルプロジェクトの経験と高度な技術、ノウハウを生かし、ADCのコンソーシアムに日本から唯一の通信事業者として参加したと説明。また、コンソーシアムの主要委員会では議長を務めるなど、プロジェクトの推進において中心的な役割を果たしたとしている。
ADCの運用開始は、ソフトバンクがSDGs(持続可能な開発目標)で特定する6つのマテリアリティ(重要課題)のうち、「質の高い社会インフラの構築」の実現に寄与するものだと説明。今後もソフトバンクは、世界的なトラフィック需要に対して継続的かつ安定的なサービスを提供するとともに、日本における国際海底ケーブルの重要なゲートウェイの提供者として、通信業界に貢献していくとしている。