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野村総合研究所、リモートワーク端末のデータ保護を実現する「セキュアFAT」ソリューションを提供

 株式会社野村総合研究所(以下、NRI)は6月30日、リモートワークで利用される端末を対象に、データの分散保管を行うソフトウェアと端末紛失時にデータ無効化の操作を代行するサービスを組み合わせた「セキュアFAT」ソリューションを開発し、7月1日から提供を開始すると発表した。

 セキュアFATは、リモートワークの常態化により、会社、自宅、外出先など端末の所在場所を問わず、確実にデータ保護を行うことが必要とされるという企業の課題に対応するソリューション。株式会社ZenmuTechの「ZENMU Virtual Desktop」に、端末運用のアウトソーシングサービス「PCLifecycleSuite」と、端末紛失時に当該端末を無効化する操作の代行サービスを追加した。

 ZENMU Virtual Desktopは、PC上に秘密分散テクノロジーによる仮想ドライブを作成し、仮想ドライブ内のデータをPCとクラウド上で分散管理する。PCが盗難や紛失に遭った場合でも、ユーザーや管理者がクラウド上の分散片へのアクセスを停止することで、ユーザーデータを物理的に復元できなくなるため、PCからの情報漏えいリスクを最小限に抑止できる。

 NRIでは、端末の状態によらずデータ漏えいを防御でき、端末のレスポンスを犠牲にせず、ローコストで利用できることといった条件から、ZENMU Virtual Desktopを採用。また、企業での導入を容易にするため、端末運用のアウトソーシングサービスであるPCLifecycleSuiteに、端末紛失時に当該端末を無効化する操作の代行サービスを追加した。

セキュアFATソリューションの概要

 また、昨今では自社業務の一部をビジネスパートナーとの協働環境で実施するケースが増えているが、こういったケースにおいても、端末利用者が不正な行為をしたり、貸し出した端末の紛失といった事故が起きたりした場合でも、データの分散片を無効化することで、確実かつ迅速な対処ができるとしている。

 ソリューションは、NRIが各社の働き方改革を支援する「デジタルワークプレイス事業」のラインアップとして追加し、リモートワークを志向する企業を支援する。具体的には、該当企業のリモートワーク環境に関する現状分析・コンサルティングを手始めに、セキュアFAT端末の設計・構築と、その端末の導入からライフサイクル運用に至るまで、トータルソリューションを提供する。

 ソリューションの展開にあたり、NRIとZenmuTechでは、ZENMU Virtual Desktopに関する販売代理店契約を締結。セキュアFATソリューションを、2021年度末までに3万端末・約5億円の規模を目標にビジネス展開するとしている。