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凸版印刷、混雑状況可視化サービス「nomachi」のZETA版を提供 大規模施設でも1台の基地局で対応可能

 凸版印刷株式会社は1日、混雑状況可視化サービス「nomachi(ノマチ)」において、次世代LPWA規格「ZETA」の通信モジュールを用いた「nomachi ZETA版」を開発し、同日より本格的な販売を開始すると発表した。ZETAに対応したことにより、従来よりも通信距離が長くなるため、商業ビルや大規模施設における対応がしやすくなるという。

 nomachiは、スマートフォンやサイネージに施設の混雑状況をリアルタイム表示できるサービス。施設の机の裏側などにワイヤレスセンサーを設置し、在席情報をセンシングしたうえで、取得したセンシングデータを元に混雑状況を判別し、スマートフォンやサイネージにリアルタイム表示する。これにより施設の利用者は、施設に足を運ばずとも混雑情報を把握できるため、入れる店を探す手間や店舗での待ち時間を削減するとした。

 ただし従来のnomachiではBluetoothを利用しており、大型施設や商業ビルの全フロアなどの広域でセンシングをするには、通信のために基地局を多数設置する必要があったほか、高層施設では階層ごとに基地局を設置する必要もあったという。

 これに対して、ZETA通信モジュールを組み込んだnomachiの新モデルでは、1台のZETA基地局で広範囲をカバー可能となる。また、電池式のZETA中継器を活用することにより、設置場所の自由度が向上し、障害物の迂回(うかい)や距離の延長をさらに行えるとのこと。

 加えて、ZETA用の基地局を設置することで、nomachiのセンシングサービス以外にも、温湿度やCO2濃度の測定など、ZETAセンサーが持つ従来機能の活用が可能となるため、施設内の環境・設備のセンシングによるスマート化を推進できるとしている。

 凸版印刷は今後、オフィスビルや商業施設、大学、病院、コワーキングスペースへの導入を推進し、不動産事業者やデベロッパーなどに向けて展開する考え。売上としては、関連受注を含めて2022年までに15億円を目指す。

 なお同社は、本格的な販売開始に伴い、サービスの利点を採用事例とともに紹介するウェビナー「混雑状況可視化サービス 大型施設・広域向け(ZETA版)「nomachi(ノマチ)」セミナー」を、6月15日に開催する。参加費は無料(事前登録制)。

 また、6月2日~4日に東京ビッグサイトで開催される「ワイヤレスジャパン2021」の、ZETAアライアンスコーナーのトッパンブースに出展するとのことだ。