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富士通Japan、診療所向け電子カルテシステム「HOPE LifeMark-SX」と「Welbyマイカルテ」を連携

 富士通Japan株式会社は5月31日、診療所向け電子カルテシステム「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-SX(以下、HOPE LifeMark-SX)」と、株式会社WelbyのPHRプラットフォーム「Welbyマイカルテ」との連携を6月1日に開始すると発表した。

 Welbyマイカルテは、個人が自身の医療情報や健康に関する情報を集積し管理するPHR(Personal Health Record)サービスとしてWelbyが提供する、糖尿病、高血圧などの生活習慣病患者を対象に、血糖値や血圧などの自己管理を支援するスマートフォン向けアプリ。

 連携により、医師はHOPE LifeMark-SXから起動したWelbyマイカルテにアクセスすることで、患者がWelbyマイカルテ上に入力し、本人同意のもと連携される日々の食事や運動記録、バイタル情報などを、電子カルテの情報と合わせて参照しながら診察できる。

 これにより、例えば糖尿病や高血圧などの慢性疾患の患者に対し、食事や運動のアドバイスが可能になるなど、予防医療から診療まで幅広く、きめ細かく患者をサポートできるようになるとしている。

「Welbyマイカルテ」患者側 画面イメージ

 また、Welbyが5月31日からWelbyマイカルテに追加した、新型コロナワクチン接種前後の体調を患者が入力する「新型コロナワクチン接種管理サービス」とも連携。医師は、新型コロナワクチン接種の有無や接種日、接種薬剤名、接種会場、接種前後の体温、症状などを一目で確認できる。これにより、体調不良を訴えて来院した患者に対し、医師が症状とワクチン接種との関連性を確認しながら診療でき、慢性疾患などで通院している患者が新型コロナワクチンの接種を受けた際には、患者のバイタル情報の変化の有無などを確認し、異変をより早く察知し、適切な診療を行える。

 また、医療機関が導入する電子カルテシステムは、通信規格やセキュリティ保護の観点で、インターネットサービスへのアクセスが制限されており、他の医療システムやサービスを併用する場合には、別の端末で運用する必要があった。

 この問題を解決するため、富士通Japanでは病院内のHOPE LifeMark-SXと、クラウドセンター内のWelbyマイカルテをつなぐセキュアなネットワークであるIP-Sec VPNを用いて、セキュリティを確保した上でインターネットサービスに接続する仕組みを整備した。これにより、電子カルテシステムと同じ端末からWelbyマイカルテを参照可能となった。

 富士通Japanはこれまで、HOPE LifeMark-SXにおいて、スマートフォン上で診察予約や診察順確認を可能にする順番予約サービスや、遠隔地での診察に加えコロナ禍における非接触での診察も可能なオンライン診療サービスなどを提供してきた。富士通Japanでは今後もWelbyと連携し、予防医療への貢献や患者へのサービス向上、スタッフ部門の負荷軽減などに寄与し、ウェルビーイングな暮らしをサポートする「Healthy Living」の取り組みを強力に推進するとしている。