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パナソニック、「現場マルチネットワークサービス」でプライベートLTE方式のsXGPシステムを提供

 パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社(以下、パナソニック)は26日、「現場マルチネットワークサービス」における無線ネットワークの新たなラインアップとして、プライベートLTE方式のsXGPシステムを6月下旬より提供開始すると発表した。

 また、複数のPLMN-ID(携帯電話の国際的な識別番号)を認証するLTEコア(ローカルコア)も提供し、sXGPと自営などBWAを同じLTEコアで統合管理することで、それぞれのシステムに共通のSIMでの認証を可能にする。

 現場マルチネットワークサービスは、プライベートLTEなどのセキュアなローカルネットワークと、パナソニックが保有するタブレット端末やネットワークカメラなどのエッジデバイス、画像センシングなどのソフトウェア(ソリューション)に、防災などのミッションクリティカルな現場で使われてきた無線インフラを支える知見、体制を組み合わせることで、公共や製造、物流、流通といった現場プロセスの改革を推進するサービス。

 プライベートLTEシステムとして、現在提供中の自営BWA(2.5GHz帯)に加えて、sXGPシステム(1.9GHz帯)を提供。sXGPシステムは、主に音声通話中心の構内PHSからの置き換えや、ネットワークシステムの高度化、統合管理を目指す企業や、倉庫や工場などで複雑な配線やアンテナの設置に制約があり導入を断念せざるを得なかった企業を中心に、セキュアで出力の高い自営モバイルネットワークの構築を実現する。

 さらに、提供するLTEコアにより、sXGPと自営BWAを統合的に管理することで、接続する基地局がsXGPと自営BWAとの間で切り替わっても通話や通信が継続でき、スマートフォンなどの端末を使って屋外や屋内を行き来しながら作業を行う顧客の利便性を向上する。

提供を開始するsXGPシステムの基地局

 sXGPシステムは、基地局1台で最大32台同時接続が可能で、多数の端末が配備される環境下でも少数の基地局でカバーでき、自由度の高いエリア設計を実現できる。少数の基地局でも従業員各自のスマートフォンがネットワークに繋がることで、業務リソースのリモート活用などが可能になる。

さまざまなアプリケーションを使った倉庫や工場での利用イメージ

 通信経路を制御するローカルコアを、閉域網内に配置するオンプレミス型のシステム構成を採用。外部回線の影響を低減することで、災害時でもローカルコア内の接続を確保し、通信の輻輳(混雑)が発生するリスクを低減する。閉域内での通話は従量課金無く利用できる。

システム構成イメージ

 ローカルコア側でのSIMカードによる(番号)認証と暗号化技術、およびオンプレミス型でのシステム構成により、携帯キャリアと同等のセキュリティ性の高い通信を担保する。また、SIMの番号単位でグループ振り分けが可能なため、閉域網内で柔軟にグルーピングができ、グループごとの接続制限を行うことで、さらに高いセキュリティ運用を実現する。

 パナソニックでは、sXGPシステムをはじめ、現場のニーズに合わせた最適なネットワークを提供することで、ミッションクリティカルな現場でのDX(デジタルトランスフォーメーション)をサポートするとしている。