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横河ソリューションサービス、横河レンタ・リース、パナソニック コネクトの3社、プラントのDX実現に向け協業

第一段としてローカル5G導入検討用レンタルパッケージを提供

 横河ソリューションサービス株式会社、横河レンタ・リース株式会社、パナソニック コネクト株式会社の3社は8月31日、プラントの保守効率の向上と安全操業に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を支援する、さまざまなソリューションの提供に向けた協業を開始すると発表した。

 横河ソリューションサービスが持つ計測・制御・情報技術と、パナソニック コネクトが持つ無線ネットワークや画像センシング技術などを組み合わせ、現場の作業効率化・自動化・自律化に資するソリューションを提供していく。加えて、横河レンタ・リースが持つレンタル・リーススキームを活用することで、顧客の投資リスクを軽減させ、DX導入の判断を加速させていくとしている。

 第一弾として、9月1日から、ローカル5Gの実証実験向けに、ネットワーク機器と各社のソリューションを組み合わせた、ローカル5G導入検討用レンタルパッケージの受注を開始する。サービス開始は2024年3月予定。

ローカル5G導入検討用レンタルパッケージのネットワーク構成例

 プラントでは、現場でも中央計器室の制御システムの情報を閲覧しながら、迅速かつ適切な対応で保守品質を維持向上したいという要求や、少子高齢化や熟練者の定年退職に伴う人財不足により、現場作業の省人化の実現や属人化の解消、業務ノウハウの継承が課題となっているという。

 これらの課題には、多数のセンサーを活用した設備監視やロボティクスなどによる遠隔制御、さらにはスマートグラスなどの複合現実(MR)技術などのデジタル技術を用いて、遠隔地にいるベテラン運転員によるリモート指導が有効で、音声・高精細映像を含む大容量のデータを高速で伝送できる強靭なネットワーク基盤が必要となる。こうした用途に向け、ローカル5Gは、高速・大容量、セキュリティが確保され、企業や自治体などが個別に利用できるネットワーク技術として、検討・実証が全国各地で進んでいる。

 しかし、ローカル5Gは免許制のため、Wi-Fiなどと比較すると実証実験の実施までに時間がかかることに加え、初期投資費用も比較的高額という課題があり、ローカル5Gの活用方法や有効性、価値などが分からないといった声も多く寄せられていたという。

 これらの課題を解決するために、3社はプラントの保守効率の向上と安全操業に向けた、プラントのDX実現をサポートするソリューション提供の第一弾として、初期費用を抑えながら実証実験を手軽に実施できるよう、ローカル5G対応のネットワーク構築に必要な無線機器のレンタルサービスと、顧客の困りごとを解決するコンサルティングを含む各社のソリューションを組み合わせ、ローカル5G導入検討用レンタルパッケージを提供する。

 ローカル5G導入検討用レンタルパッケージは、現場(顧客敷地内)にローカル5Gコア/基地局の設置により、高セキュリティ運用やBCP対策に特化した無線ネットワーク環境を構築。電波伝搬や通信速度等の実測値の測定に加え、顧客のニーズやユースケースに合わせた最適なソリューションをセットで提供する。価格は月額265万円(税別)から。最短期間は3カ月。

 製品の主な顧客は、電力、ガス、石油化学、化学、紙パルプ、鉄鋼、鉱山、造船、自動車、電機・電子、電池、半導体、上下水道、ダムなど。

 3社は、ローカル5G導入検討用レンタルパッケージの提供を通じて、知見・ノウハウを蓄積し、ローカル5G基盤とロボティクス、AI、クラウド、無線センサー、画像センシングなど、最新のデジタル技術を組み合わせ、保守効率の向上と安全操業、さらには生産性向上に向けた、顧客の困りごとに沿ったソリューションサービス群のラインアップを順次拡大していくと説明。協業を通じて、3社それぞれの特徴を生かしたプラットフォームビジネスモデルを共同で構築し、プラントのDXに貢献するとしている。