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静岡銀行の次世代オープン勘定系システムが稼働開始、日立と共同開発
2021年1月5日 13:40
株式会社日立製作所(以下、日立)は4日、株式会社静岡銀行と共同開発する、静岡銀行の次世代オープン勘定系システムが稼働を開始したと発表した。
日立と静岡銀行は共同で、メインフレームの信頼性・堅牢性を備えながら、オープン基盤上で稼働する勘定系システムの開発を進めてきた。システムは、Linuxベースのオープン基盤上で稼働する勘定系システムで、従来のメインフレームにおける勘定系システムのアーキテクチャーを刷新し、預金、為替、融資といった銀行業務を実現する「記帳決済システム」と、各種業務システムやチャネルサービスなどとの接続を統合する「バンキングハブシステム」の2つのシステムで構成される。
記帳決済システムは、勘定系システムの標準領域にあたる基幹業務の機能をコンポーネント化、パラメータ化し、機能同士の緩やかな連携を実現することで、個々の業務の特性や重要度に合わせて柔軟に最適な機能配置を実現できるアプリケーション構造に刷新した。これにより、従来の「複雑な勘定系システム」から「シンプルな勘定系システム」へ転換し、開発生産性を高め、稼働後の環境変化に対応した機能追加や新商品開発を迅速化できるなど、将来に向けて持続可能な勘定系システムを実現する。
バンキングハブシステムは、営業店システムやインターネットバンキングといったチャネルサービスと容易に接続可能なアダプタ機能を有し、シームレスかつ迅速なチャネル追加や、インターフェイスの統合管理と集約を図り、「シンプルな勘定系システム」の実現に寄与する。また、他システム連携を高効率で実現可能とすることで、経営戦略遂行の自由度・柔軟性を向上し、「作る勘定系システム」から「使う勘定系システム」への転換を実現するとしている。
システム構造の全面刷新により、システム構築や運用コストを最適化するほか、環境変化へ柔軟に対応するための新商品開発や機能追加を可能とし、将来にわたって多様な金融サービスの提供や戦略的な経営方針の策定・遂行を支援する。また、システムは、金融庁が金融機関の基幹系システムに関する先進的な取り組みを支援する「基幹系システム・フロントランナー・サポートハブ」において、第1号案件として支援が決定しているという。
日立では、開発したシステムを製品化し、次世代オープン勘定系パッケージとして他の金融機関への導入を進め、制度対応などエンハンス機能もパッケージに継続的に取り込んでいくと説明。また、今後、静岡銀行とさらなるパートナーシップの強化を図り、パッケージのデファクトスタンダード化を目指すとしている。