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NTTテクノクロス、医療/ヘルスケア向け機能を追加した匿名加工情報作成ソフト「tasokarena」新版

9月の発売を予定

 NTTテクノクロス株式会社は15日、匿名加工情報作成ソフトウェア「tasokarena(タソカレナ)」において、医療やヘルスケア向けの機能を追加した新版を9月より販売開始すると発表した。

 tasokarenaは、NTT研究所が開発した匿名化技術を活用した加工情報作成ソフトウェア。パーソナルデータの特性や利用目的に応じた匿名加工情報の作成を支援できるという。

 今回は、加工技法の組み合わせ(加工ルール)について検討を支援するAI機能と、医療・ヘルスケア向けの拡張機能を追加した。

 このうちAI機能では、tasokarenaの補助ツールに入力・設定したパーソナルデータの内容から、個人を特定できる危険性をAIが判別し、そのデータに対して適用を検討すべき加工ルールを提案してくれる。これにより、数十種類ある加工技法からどの技法を適用すればよいかを、ゼロから検討する必要がなくなるため、匿名加工情報を扱った経験が少ない医療の現場担当者など、さまざまなユーザーの負担を軽減するとのこと。

 また医療・ヘルスケア向けの拡張機能としては、自治体・医療機関・健康保険組合などの共通仕様になっているレセプトデータをtasokarenaで読み込み可能にする変換ツールを提供する。レセプトデータのフォーマットはレコード識別情報の値によってレコード項目数や記録内容の形式が異なるため、匿名加工情報を作成する場合には、事前にユーザーによるデータの形式を合わせるなどのクレンジング処理が必要だったが、変換ツールを用いることで、ユーザーの手間を削減するという。

 さらに、変換後のレセプトデータから作成した匿名加工情報を、元のレセプトデータのフォーマットに戻すことが可能なことから、既存のレセプトデータの分析システムでも匿名加工情報を利活用できるとしている。

 このほか、製薬会社からの要望を反映し、投薬日のデータなど、日付の間隔を保ったままで加工する技法を追加した。従来は、投薬の順序を維持した状態で日付をランダム化することはできたが、この機能強化によって、新薬開発などでも活用しやすくなるという。

 加えて、同一事業者内での情報共有における安全性を高めるために、自由記述欄に含まれる個人情報を削除するマスキングツールを提供する。このツールでは、自然言語解析によって文章の中から氏名や住所などを自動で判別し、削除を可能にするため、ユーザーの作業負担を軽減しながら、情報共有における安全性の向上を実現するとした。

 予定価格(税別)は、スタンダード版(GUI版)が年間60万円から。また、スタンダード版に自動実行やデータ連携などの機能を追加したエンタープライズ版が年間180万円から。

tasokarenaの利用イメージ