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NTTデータ、匿名加工医療情報作成事業を開始 電子カルテを含む医療情報を収集、匿名加工し提供へ

 株式会社NTTデータは19日、次世代医療基盤法に基づき、初めて「認定医療情報等取扱受託事業者」認定を取得したと発表した。これにより、電子カルテを含めた詳細な医療情報を収集・匿名加工し、研究者などへ提供する「匿名加工医療情報作成事業」を、一般社団法人ライフデータイニシアティブと連携し、2020年1月6日より開始する。

 日本における医療情報は、個人にかかわる機微な情報として「要配慮個人情報」に定義されており、その取り扱いが厳格化されているが、2018年5月に次世代医療基盤法が制定されたことで、匿名性が保たれた状態での活用が可能になったという。

 具体的には、同法が定める認定匿名加工医療情報作成事業者、認定医療情報等取扱受託事業者において、厳格な利用目的などの審査を行ったうえで、医療情報を個人が特定できない情報へと加工することにより、大学や企業の研究機関などに対しての提供を行えるようになったとのこと。

 今回、NTTデータが開始する事業では、日本全国の病院を中心とした医療施設からレセプトデータ、DPC調査データ、診療行為結果(アウトカム)情報を収集し、個人が特定できない匿名加工医療情報を作成する。研究者や製薬企業などは、この提供を受けることで、アウトカム情報を用いた高度な分析が可能になるとした。

 具体的には、アウトカムを含むさまざまな医療情報を用いることにより、従来は利用が難しかった検査値などに加え、医師所見といった非構造化情報の活用による多角的分析が可能。また、施設や診療科をまたがった名寄せによる情報活用を行え、治療実績の動態を追跡することもできるという。さらに将来的には、数百万人を超えるアウトカム情報を収集し、従来存在しない大規模かつ詳細なデータベースを構築することにより、日本の研究開発の発展に寄与できるとのこと。

 なお同事業では、認定匿名加工医療情報作成事業者であるライフデータイニシアティブが、匿名加工医療情報作成において法律で定める管理業務、利用目的などの審査を行う一方、NTTデータは、匿名加工医療情報を作成する業務の委託を受け、システムの維持運用を行うとしている。